パテント・リザルトは7月16日、「ゴム製品業界」の特許を対象に、2024年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「ゴム製品業界他社牽制力ランキング2024」をまとめたと発表した。
この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになる。
集計の結果、2024年に最も引用された企業は、1位ブリヂストン、2位住友ゴム工業、3位横浜ゴムとなった。
1位のブリヂストンの最も引用された特許は「車両旋回時の剛性と湿潤路面での走行性能を両立できる空気入りタイヤ」に関する技術で、住友ゴム工業や横浜ゴムなど計4件の審査過程で引用されている。このほかには「タイヤの構造・形状を最適化することで、摩耗、ウェット性能、転がり抵抗の改善を実現するタイヤの設計方法」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、横浜ゴムなどの計4件の拒絶理由として引用されている。
2024年に、ブリヂストンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は住友ゴム工業(152件)、次いで横浜ゴム(67件)となっている。
2位の住友ゴム工業の最も引用された特許は「作業性を向上させることができるタイヤの製造方法」に関する技術で、横浜ゴムの計7件の審査過程で引用されている。このほか「ジョイントの分散不良が生じない生タイヤの製造方法」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、こちらも横浜ゴムの計7件の拒絶理由として引用されている。
2024年に、住友ゴム工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は横浜ゴム(69件)、次いでTOYO TIRE(60件)となる。
3位の横浜ゴムの最も引用された特許は「打ち出し条件の計測や弾道計測を的確かつ正確に行うことができるゴルフボール」に関する技術で、ACUSHNET(米)など計4件の審査過程において拒絶理由として引用されている。
2024年に、横浜ゴムの特許により影響を受けた件数が最も多い企業は住友ゴム工業(127件)、次いでTOYO TIRE(46件)となっている。
4位のTOYO TIREは「金属部品から離れた位置にRFIDタグを配置することで、電子部品の性能を保つことができるタイヤ」、5位住友理工は「信頼性が高く低コストである配線体接続構造体」が、最も引用された特許として挙げられる。
2025年07月18日