景況アンケート 2017年夏業績予想 「内需」は業種で明暗か

2017年07月31日

ゴムタイムス社

 本紙は5月時点で製造メーカー・原材料メーカー・ゴム製品卸商社に「2017年の景気見通しと業績予想」と題するアンケート調査を実施した。

 その結果、今年の業績見通しについては、「増収」回答企業が57%、「横ばい」回答企業は38%となり、「減収」回答企業は5%となった。

 昨年は「増収」回答企業が49%、「横ばい」回答企業が43%で、「減収」企業が8%だったことから、今年は昨年に比べ、業界全体として明るい見通しとなっていることが分かった。

 日本銀行が7月3日に発表した短観(6月調査)によれば、大企業製造業の業況判断DIはプラス17となり、3月調査に比べ5ポイント改善、大企業非製造業も6月調査ではプラス23となり、3月調査に比べて3ポイント改善した。

 自動車は2ポイント低下したものの、都市部の再開発などで好調が持続している建設のほか、鉄鋼と電気機械が6ポイント、紙・パルプと汎用機械が4ポイント改善するなど、ゴム企業の需要先は概ね改善傾向にある。アンケート調査の結果は、こうした景況感をそのまま反映していると言えるだろう。

 ◆業績予想

 「内需」は業種で明暗か 増収・減収両要因のトップに

 今年の業績予想に関するアンケートでは「増収」企業が57%、「売上高横ばい」が38%、「減収」企業が5%となった。

 昨年との比較では、「増収」企業が8ポイント増加、「横ばい」企業は5ポイント減少、減収企業は3ポイント減少した。

売上高

 売上高の増減要因については、増収では「内需の回復」が31%で最も多く、次いで「新規事業・製品が貢献」「販売体制・戦略の強化」がともに23%、「価格改定」が8%となった。

増収の原因

 一方、減収要因としては「内需の不振」「市場での競争激化」がともに30%で最も多く、「その他」が20%で続いた。

減収の要因

 昨年は「新規事業・製品が貢献」と「販売体制の強化」が増収要因のトップだった。減収要因のトップの1つに「内需の不振」があることは、業績への内需の貢献に関しては、業種によって明暗が分かれていることを示している。

 内需については、人口が減少傾向にあるとはいえ、市場規模は依然として大きいことから期待は高い。

 ただ、「市場での競争激化」が「内需の不振」とともに減収要因のトップになっているのは、国内企業同士あるいは先進国企業との競合に加え、特に汎用品や低価格帯などの部分で、新興国企業からの輸入品との競争が一層激しくなっていることを表していると見られる。

 

 自社の手元資金を投資する重点分野については、明るい見通しを反映してか、「設備投資」が26%でトップ、「人員補強」が17%、「従業員に還元」が16%などとなった。

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