BASFの1~3月期 売上高は201億ユーロ

2015年05月11日

ゴムタイムス社

 独BASFは5月8日、2015年第1四半期の業績を発表した。

 2015年の滑り出しは順調で、第1四半期は販売量の増加と為替のプラス効果により、増収となった。売上高は201億ユーロで、前年同期比3%増。

 化学品事業は化学品部門、高性能製品部門、機能性材料部門で構成されている。特別項目控除前EBITは2%減となり、21億ユーロをわずかに下回った。これはその他の事業において、BASFの株価上昇に伴い長期インセンティブ(LTI)制度への引当金が増えたことによって費用計上額が大幅に増加したため。

 EBITは前年同期比2億2600万ユーロ減少し、20億ユーロとなった。前年の第1四半期には、他社運営の英国北海油田・ガス田の権益売却に伴う非課税の特別利益が含まれていた。金融収支はマイナス1億6400万ユーロとなり、前年同期(マイナス1億8300万ユーロ)に比べ改善した。

 2015年第1四半期の税引前及び少数株主持分控除前利益は、前年同期比2億700万ユーロ減の18億ユーロとなった。純利益は2億9000万ユーロ減の12億となり、1株あたりの利益は、前年同期の1・59ユーロに対して1・28ユーロ。

 「化学品部門」の売上高は前年同期比12%減で、39億ユーロとなった。これは主に、原材料価格の急激な下落による価格の低下が原因。石油化学品事業本部における製品ポートフォリオの調整、さらには全体的な販売量の小幅な減少も売上高に影響した。為替の効果はプラス。特に欧州でさまざまな製品ラインの利益率が向上したため、特別項目控除前EBITは1億2500万ユーロ増加し、7億2600万ユーロとなった。

 「高性能製品部門」の売上高は4%増の40億ユーロ。すべての事業本部において為替のプラス効果があり、全体的な販売量の小幅減少と販売価格下落を十二分に補った。特別項目控除前EBITは8800万ユーロ増で5億1500万ユーロとなった。これは原材料費の低下に加え、全事業本部で効率化および構造改革を図ったことが主因。

 「機能性材料部門」の売上高は、全事業本部において為替のプラス効果があったため、前年同期比8%増の46億ユーロとなりました。販売量と販売価格は全体的にわずかに下がった。特に自動車産業からの需要が高まりましたが、貴金属取引における販売量の低下を補うことはできなかった。特別項目控除前EBITは1億2000万ユーロ増加し、4億3100万ユーロとなりました。パフォーマンスマテリアルズ事業本部がこの成長を大きく支えた。

 「農業関連製品部門」の売上高は、欧州および北米の貢献が増した結果、15%増で19億ユーロとなった。販売量はすべてにおいて増加。為替のプラス効果と価格の上昇も売上増に弾みをつけた。特別項目控除前EBITは、6400万ユーロ増で5億7400万ユーロとなった。販売量の増加、価格の上昇、さらに為替レート効果が主因。

 「石油・ガス部門」の売上高は、主に天然ガス取引事業の販売量の増加により17%の50億ユーロとなった。特別項目控除前EBITは2900万ユーロ減で4億3700万ユーロ。天然ガス取引事業の利益貢献は増大したが、探索・生産事業部の原油価格関連の低下を吸収するまでには至らなかった。

 「その他」に分類される事業の売上高は、前年同期に比べて36%減少し、6億8800万ユーロとなった。これは取引量の減少に加え、シンガポールで行っていた共同事業エルバ・イースタンの株式を2014年に売却したことが主因。特別項目控除前EBITは4億1000万ユーロ減少し、マイナス6億1300万ユーロとなった。これは主に、長期インセンティブ(LTI)制度における評価替の影響によるもの。

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