住友ゴムの1~3月期 タイヤ不振で減収減益

2015年05月08日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業の2015年12月期第1四半期連結決算は売上高1851億6000万円で前年同期比2・9%減、営業利益は121億2500万円で同34・4%減、経常利益は120億1100万円で同32・8%減、四半期純利益は76億9400万円で同29・3%減となった。

 天然ゴム相場が引き続き低位で安定的に推移したことに加え、円安による輸出環境の改善があったものの、海外市場で競合他社との競争が激化していることや、多くの国・地域で市況が低迷するなど、同社グループを取り巻く環境は厳しい状況で推移。特に主力のタイヤ事業で販売環境が悪化し、販売数量が前年同期を下回った影響で、減収減益となった。

 セグメント別では、タイヤ事業の売上高は1587億1300万円で同4・3%減、営業利益は119億1600万円で同27・9%減だった。

 国内市販用タイヤは、ダンロップブランドの低燃費タイヤ「エナセーブ」シリーズを中心に拡販に努めた。しかし、前年同期は消費税率引き上げに伴う駆け込み需要が発生したことに加え、今期はスタッドレスタイヤの販売が低調に推移したことから、販売数量が前年同期を大きく下回り、売上高は前年割れとなった。

 国内新車用タイヤは、低燃費タイヤを中心とする高付加価値タイヤの納入拡大に努めたが、消費増税による消費マインドの冷え込みなどにより、自動車生産台数が前年同期に比べマイナスとなったことから、販売数量が減少し、売上高は前年同期を下回った。

 海外市販用タイヤは、欧州やロシア、ブラジルなどで消費の冷え込みに加え、現地通貨安の影響により厳しい状況で推移したものの、米国では景気の拡大で販売数量が増加したほか、円安効果などによって、売上高は前年同期を上回った。

 海外新車用タイヤは、中国で日系自動車メーカーの生産調整があったことに加え、インドネシアでは景気の停滞により販売数量が減少した。しかし、経済が回復しつつあるタイで販売数量が増加したほか、欧米での新たな納入が拡大したことから、売上高は前年同期を上回っている。

 スポーツ事業の売上高は170億3400万円で同9・1%増、営業損失は2億4200万円(前年同期は営業利益6億1800万円)となった。

 国内市場では、ゴルフ用品市場で3月にゴルフボール「ゼクシオ・エアロドライブ」などの新商品を市場に投入したが、主力のゴルフクラブ「ゼクシオ・エイト」が発売2年目を迎えたことや、前年同期に消費税率引き上げに伴う駆け込み需要が発生したため、売上高は前年同期を下回った。

 海外のゴルフ用品市場では、欧米・中国・東南アジアで景気の減速感などにより販売が伸び悩んだものの、円安効果などで売上高は前年同期を上回った。

 そのほか、昨年第4四半期に新規参入したウェルネス事業が売上高の増加に寄与した。

 産業品他事業の売上高は94億1300万円で同2・1%増、営業利益は4億4900万円で同66・4%減となった。

 国内市場は個人消費と公共投資が停滞したため、販売が低調に推移したものの、スイスの医療用ゴム部品事業会社を1月に子会社化したことによる事業の拡大に加え、海外でプリンター・コピー機用精密ゴム部品が順調に販売を伸ばした。

 通期の連結業績予想については、前回発表からの変更はなく、売上高9000億円で前期比7・4%増、営業利益は900億円で同4・3%増、経常利益は880億円で前年並み、当期純利益は550億円で同3・4%増を見込んでいる。

関連キーワード:

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー