ゴム連合 2015春のとりくみ方針決定、ベア含め2%以上要求

2015年02月02日

ゴムタイムス社

 ゴム連合(山本昭二委員長)は1月26、27日に第2回中央委員会を開催し、「2015春季生活改善のとりくみ方針」を決定した。昨年は5年ぶりとなるベースアップ(ベア)要求を方針として取り上げたが、15年のとりくみではベアに限定せず、賃金体系や賃金カーブの歪み是正など賃金の課題を含めて、所定内賃金2%以上の賃上げ要求を行うこととした。

 昨年12月、日本労働組合総連合会(連合)では、連合2015春闘方針において、賃金カーブ維持分に加えて、2%以上の賃上げ方針を打ち出していた。また同月開催された政労使会議でも、「政府の環境整備の取組の下、経済界は、賃金の引上げに向けた最大限の努力を図る」などとする合意文書がまとめられた。

 ゴム連合では、産業間格差の拡大を防止するために、産別としても連合の方針に沿った数値を打ち出す必要があるとして、賃金改善へのとりくみに2%以上の賃上げを盛り込んだ。とりくみに向けた「基本スタンス」の中に具体的な数字を盛り込んだのは初めてとのこと。山本委員長は「産業間格差を広げないことは、優れた人材をゴム産業が確保するためにも、非常に重要。将来のためにも、強い意志を持って方針を打ち出した」と述べた。

 また、連合の方針では「賃上げ」「時短」「政策・制度実現の取り組み」が3本柱として位置づけられていた。ゴム連合では具体的なとりくみ方針の中に新たに「重点実施事項」を掲げ、「①賃金」「②一時金」「③ワーク・ライフ・バランスの実現」について重点的にとりくむとし、「政策・制度実現の取り組み」については産別として対応することとした。

 ①賃金については、定期昇給・賃金カーブ維持分の確保を前提とし、14年度は物価上昇局面にあること、物価上昇の中には消費税増税の影響が含まれていることを踏まえ、生活改善の観点やゴム産業の社会的位置づけの維持のために、自社の企業動向を勘案した上で2%以上を目安に積極的に賃上げを求める。要求方式は、個別賃金による賃上げ額とすると共に、全体像を捉える目的で平均賃上げ額の表示も同時に行っていく。

 その上で、賃金改善へのとりくみとして、所定内賃金2%以上の賃上げ要求とするものの、貸上げの手法はベア要求や、賃金体系や賃金カーブの歪み是正など賃金の課題に対するとりくみとし、原資の配分については各単組の賃金政策に委ねるとしている。

 山本委員長は「ベアを2%以上と限定すると、業績や状況によっては取り組めない単組が出てしまう。

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