TPE技術研究会を開催

2013年10月06日

ゴムタイムス社

 ナノ構造ポリマー研究協会は10月2日、東京・丸の内の東北大学東京分室で「第8回TPE技術研究会」を開催した。
 最初に、ポリウレタン研究の第一人者である長崎大学名誉教授の古川睦久氏が「バイオマス由来原料のポリウレタンの開発動向」をテーマに講演。
 ひまし油を原料にポリオールなどを生産している伊藤製油や豊国製油、小倉合成工業、三井化学、熱可塑性ポリエステルエラストマーはじめ、植物由来原料を使用した新製品を相次いで開発しているデュポンなど、さまざまな企業の取り組みを紹介した。
 そのうえで、植物由来ポリオールの課題として、エーテル系ポリオールの開発やポリ乳酸の結晶性の制御などを挙げた。
 次に、三井化学の山口昌賢氏が「オレフィン系軟質材料の開発状況」をテーマに、同社のα―オレフィン共重合体「タフマー」と、ナノ構造制御型エラストマー「タフマーPN」「ノティオSN」について報告した。
 タフマーは樹脂の性質を飛躍的に向上させる樹脂改質材として、柔軟で軽量な軟質成形材として使用されている。
 その特長は柔軟・軽量であるほか、ポリオレフィン・ポリアミドとの相容性、低融点、耐熱性など。これにより自動車部品、包装材料、スポーツ用品、電線など幅広い分野で使われている。
 一方、タフマーPNは精密設計によるナノオーーダーでの構造制御により、すぐれた透明性・耐熱性・ゴム弾性・耐傷付き性を発現。ノティオSNは、シンジオタクティック構造を導入することで、PNの特長に加え、従来のオレフィン系エラストマーに比べ、格段にすぐれた耐摩耗性・耐傷付き性を実現した。
 最後に、ディーメックの水野善久氏が「3Dプリンター技術と今後の応用」と題してレクチャー。
 3Dプリンティングの5つの積層造形法のうち、同社が扱っている光造形法とインクジェット法による装置について説明。光造形の方が形状の輪郭が明瞭になるとしたうえで、産業や医療など幅広い分野で応用が可能であるとした。
 さらに、同社の新たな取り組みとして、実際の熱可塑性材料を用いた「光成型システム」を提案。試作から少量量産までのトータルソリューションと、マイクロ波成形/光成形技術のさらなる向上を、今後の展開と課題として挙げていた。

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