日本ゴム協会・ゴム技術フォーラムを開催

2011年06月27日

ゴムタイムス社

基調講演のようす

大物学者2人を招いての基調講演は、最初に「ソフトマター物理とその展開」をテーマに太田隆夫・京都大大学院教授(物理学・宇宙物理学専攻)が90分間講演した。
それによるとEUでは、2000年から「ソフトマター研究をSoftCompと総称」。ポリマー・コロイド・界面活性体と生体系に照準を合わせて研究している。
これに対し日本は「ソフトマター・マテリアル」と定義。研究を競っているが、文科省は「研究分野」に資金援助するだけだが、欧州は「教育分野」にまで支援を行い、ハンデがある。

太田隆夫教授

物理学の課題は、従来、構造形成機構の解明や、構造と流動性の関係解明、同制御が一般的だが、今後は生体と直接係わる事象の研究が必要だ。紙とペンでできる理論の確立がとても遅れている。
まとめると、ソフトマターのメゾ構造安定性、材料科学と生命、医療産業らへの応用展開が考えられる、と語った。
続いて理化学研の前副理事長で特任顧問の長田義仁教授は「生物のような材料で生物のような機能を! インテリジェントゲルの未来」の題目で90分講義、質問に答えた。

長田義仁・理化学研究所特任顧問

冒頭、理研の野依理事長の「今後は水の時代」との言を引用。水・環境・健康・農・バイオダイバーシティと貧困が重要な研究テーマだ。水問題は、淡水化浸透 膜技術に優れる日本は、東レ・東洋紡らが世界の水市場シェアの7割を握るが、金額は1億ドル程度。これに対し欧米勢は100倍の市場規模のライフフライン 全体を握る。
世界では今、水不足や汚れた水が原因で毎年380万人が死亡、飲料に適さない水を飲む人びとは9億人に達している。日本はこの分野に参入すべきでは、などと述べた。

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