ブリヂストンの化工品事業の現況 集中事業のリソースを明確化

2011年06月27日

ゴムタイムス社
龍頭保夫氏

龍頭保夫氏

 ブリヂストンでは、化工品事業を産業資材事業、化成品・インフラ事業、フィルム・電材事業、化工品直需事業の4事業本部制とし新たなビジネスモデルの構築 に取り組んでいる。常務執行役員化工品事業管掌の龍頭保夫氏に2011年第1四半期の需給動向、通期の需要見通し、今後の経営課題、事業戦略について聞い た。

 直近の販売動向は 「2011年第1四半期では、化工品部門全体では自動車用防振ゴム、シートパッドなどの直需部門が大きく落ち込みましたが、ベルト、ホースなどの産業資材事業が伸長し数値的には売上高で前年同期比101%と前年実績をクリアしました。 事業本部別では、自動車関係部品の化工品直需事業は、1~2月まで順調でしたが、3月11日の東日本大震災以降、自動車用の防振ゴム、シートパッド生産減 ということで、前年同期比81%と落ち込みました。ベルト、ホース、クローラーなどの産業資材は景気回復の影響で前年同期比130%という大幅な伸びを示 しています。 化成品・インフラ事業は家電、寝具などの産業用ウレタンなどの化成品が前年同期並となりましたが、プッシュロック、免震ゴムなどのインフラ関連製品が伸長 し全体で前年同期比114%の伸びとなりました。フィルム・電材事業はEVAフィルムが前年同期比120%弱と伸長しましたが、プラズマディスプレイ用 フィルムが大きく落ち込み、プリンターのOAロールもOA機器の生産減でダウンし全体では前年同期比92%となりました。」 震災後の影響は 「一部材料面で厳しい状況になりかけましたが、結果的には在庫および代替品への切り替え対応により生産そのものへの大きな支障はありませんでした。逆に復 興需要で仮設住宅関連でのプッツシュロック、ユニットバス、パネル水槽については供給を切らさないよう生産体制も通常よりも増強する中で安定供給のための 生産体制を優先しました。」 上期、通期の需要見通しは 「特に自動車関係は自動車用部品全体の落ち込みが大きく、上期は前年同期比減収とみています。ただ、5月以降、国内の自動車生産の正常化が進み、需要見込 みが回復傾向にあり、数字的には挽回していくとみています。下期以降の10~12月期には前年並み以上の数字になると見込んでいます。節電対策によるカー メーカーの土・日操業への対応については、防振ゴム、シートパッドの生産子会社で、カーメーカーの稼働状況に合わせるべく検討を進めています。」 大きな伸びをみせている産業資材、インフラ事業は 「産業資材については前年同期比30%増の伸びを継続できるとみております。インフラ事業についても、プッシュロック、ユニットバスなどの復興需要もあり 期待ができます。免震ゴムは、実際の需要はもう少し先になりますが建築免震で引き合いも活発化しており、今後、長期的には需要の拡大が期待できます。 ベルトは2011年1月から横浜工場での第3ラインの増強が完了し稼働を開始しており、売上も順調に拡大しています。特に新興国を中心に依然旺盛なコンベ ヤベルト需要増に対応しております。現在、海外販売が6割、国内販売が4割となっていますが、資源開発関連の海外での需要増にいかに対応するかが今後の課 題です。」 油圧ホースでは中国での生産拠点設立を発表しましたが 「建機向けの油圧ホースの生産を中国・江蘇省常州で2012年10月から開始します。油圧ホースの需要は国内、海外共に拡大しており、国内では熊本、関工場、海外ではタイ工場でのデボトルネックによる能力増強を2011年中に実施する計画で安定供給を図っていきます。」 フィルム・電材事業は 「太陽電池用EVAフィルムは今後も順調に需要は増加するとみております。2013年にはポーランドで2ラインの生産が開始され、国内では関工場4ライン、磐田工場8ラインとなり、計14ラインの生産体制で倍増以上の生産能力を有することになります。」 4事業全体での2011年度の需要見込みは 「下期以降はかなり好転してくると見られます。欧米の景気減速が懸念されるものの前年度を上回る見込みを計画しています。」 販売面で国内販社を統合しましたが 「2010年1月から販社を再編し3社体制としました。広域にわたる営業範囲が俯瞰できる体制になり、地域密着を維持しながら営業戦略の効率的な展開と成果の把握ができるようになりました。集中事業にリソースを大幅に振り向け、より鮮明な形にしたいと考えています。」 収益面では原材料価格高騰が厳しいが 「当社では原材料価格高騰に対応して4月1日からの価格改定を実施し、順次、お客様への説明などを行った結果、5月中旬に価格改定はほぼ浸透しました。改 定率(UP幅)はコンベアベルト15%、油圧ホース(含関連部材)8%、ゴムクローラ,MTパッド15%、産業用防振ゴム、空気ばね15%、免震ゴム 11%、その他工業資材5~15%です。 その後も主原料やエネルギーコストが引き続き上昇しており、特にベルト、ホースなどの産業資材製品は需要も旺盛でフル生産が続いております。責任ある安定 供給を継続するためにも速やかな価格転嫁が不可欠であり、直材比率の高い製品については自助努力の限界を越えています。お客様に十分にご説明した上での価 格改定についても検討を始めております。」 化工品事業の課題について 「Lean & Strategic(リーン アンド ストラテジック)加速」「原材料価格高騰への対応を確実に実行していく」「太陽電池用EVAフィルムの生産増強を万全な体制で実現していく」「販売会社に 対し集中事業へのリソース配分を重点的に、目に見える形で実行していく」等に注力していきます。 製品ごとにビジネスモデルが異なるので、それぞれの力点、攻めの分野、対応施策を明確化し、効果的なバリューが取れるビジネスモデルを目指していきたいと思います。」

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