三井化学 SABIC社と提携しPU原料の製造技術を供与

2012年03月05日

ゴムタイムス社

 三井化学㈱は、サウジ基礎産業公社(SABIC社)との間で、ポリウレタン原料のTDIおよMDIの製造技術ライセンス供与契約を2月26日に締結、将来の事業提携の検討を行うことで合意に達し、これらを含めたウレタン事業の再構築を行うと28日、発表した。
 今回の契約締結は①SABIC社がPU事業への参入を強く希望、三井化学のTDI・MDI製造技術を高く評価し、三井化学からの技術ライセンスを希望していること②中東において安価な原燃料をベースとした競争力あるTDI・MDIの供給拠点を確保できること③ウレタン事業の川下に当たるコーティング・機能材およびシステムハウス向けに競争力あるTDI・MDIを入手できること―など両社の戦略がが一致したことしたことによる。
 SABIC社は今後、三井化学の技術によりTDIおよびMDIプラントの建設に向けた基本設計を開始する。一方、三井化学はSABIC社との事業提携の検討を行い、プラント基本設計終了予定の2013年度をめどに、経済性などを精査の上、同社との合弁事業への参画を含めた提携最終案を決定する予定。
 TDIおよびMDIは、既存の国内拠点、韓国の錦湖三井化学、サウジアラビアでの新設プラントでの最適生産体制を構築し、将来的には海外拠点からの供給をメインとする。また、重点5事業の一つであるコーティング・機能材は、積極的な海外投資を含め、更なる事業強化を図る。
 大牟田工場、鹿島工場を中心とした国内拠点は、固定資産の減損による減価償却負担軽減とともに、2015年度までに80億円(2010年度比)以上のコストダウンを目指して最大限前倒しで各種施策を実行しており、このうち30億円を2011年度末までに削減する見込み。

 

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