2011年上半期 海外進出企業一覧

2011年07月18日

ゴムタイムス社

 世界経済のグローバル化が進展するなかで企業の海外進出は非常に活発化してきている。 本年も海外に工場を新設する企業が相次いでいる。本紙調査の上半期の進出企業はトップの中国12社、以下タイ5社、シンガポール2社、インド3社、ブラジル1社、インドネシア2社、韓国1社、モロッコ1社となった。業種別では、タイヤ3社、原材料10社、工業用品は14社となる。

 タイヤにおいては経済発展が進む中国、自動車産業が急速に拡大しているブラジル、北アフリカで物流のハブ拠点になるモロッコなどに工場や販売会社を設立している。 原材料では主にアジアを中心に、経済成長が著しく、今後の需要増に対応するため工場建設が相次いだ。工業用品でも、世界規模に成長し今後も拡大し続ける中国進出が目立った。 また中国では徐々にコストが増加しつつあり、中国以外の国へも進出しようという「チャイナプラスワン」として、アジアへの輸出拠点となっているタイへの進出も多くなっている。 特に今回注目する企業で見ると、タイヤでは住友ゴム工業がブラジルにタイヤ工場を建設するために約280億円を投資。 原材料では、三菱化学が塩ビコンパウンドを増強するために約5億円を投資してタイで工場を建設。工業用品においては横浜ゴムが30億円を投資して中国に油圧用高圧ホースの生産工場を建設する。 今後も電力不足問題や円高の是正が進まなければ、海外に生産拠点をシフトする会社が増加するとみられている。

タイヤ

▽住友ゴム工業
中国で2ヵ所で目となるタイヤ工場の住友橡膠(湖南)有限公司の起工式を2月19日、建設予定地(中国湖南省)で実施した。起工式には現地政府関係者、星沙産業基地指導者や住友ゴムからは三野社長、池田取締役専務執行役員、住友橡膠(湖南)有限公司の見董事長ら総勢200名が出席した。 工場の敷地面積は55万平方㍍で、生産能力は第1期として14年末に日産1万5000本、2017年末(第2期)には日産3万本体制とする計画。総投資額は2億9700万㌦。生産開始は12年7月の予定。

▽ブリヂストン
モロッコのカサブランカ市にタイヤ販売会社「ブリヂストンタイヤセールスモロッコSARLAU(略称=BTSM)」を設立し、4月1日から営業を開始した。同国は北アフリカにおける物流のハブ拠点となるために、地中海沿岸のインフラ整備を精力的に推進しており、BSMEAはモロッコを今後大きな経済成長が期待できる重要な地域と捉えている。

▽住友ゴム工業
5月17日、ブラジルに乗用車用タイヤの生産会社を設立すると発表した。約280億円を投資してパラナ州ファゼンダ・リオ・グランデ市に工場を建設する。日産1万5000本体制で2013年10月からの操業開始を目指す。

 

原材料

▽日本ゼオン
シンガポールにおいて新たな溶液重合法スチレンブタジエンゴム(S―SR)の製造プラントを建設すると発表した。シンガポール立地は、生産環境の安定、安全性、主原料であるブタジエン調達、さらに市場へのアクセスの良好から選択した。

▽ランクセス
ジャガディア製造拠点(インドグジャラート州)を引き続き拡大すると発表。新コンパウンド工場(初期製造年産能力2万㌧)建設の着工式を行い、高性能プラスチックの「デュレタン」(ポリアミド)と「ポカン」(ポリブチレンテレフタレート)の製造を2012年初頭に開始する計画。今回の建設により1000万ユーロ超の投資を行う。

▽JSR
JSRは3月1日、タイのBangkok Synthetics CO;Ltd.(「BST」)とタイに合弁会社を設立し、S―SBRの製造プラントを新設することに合意する旨のLOIを締結した。合弁会社はJSRが51%、BSTが49%を出資して、6月中に新合弁会社「JSR BST Elastomer」を設立、第1期として年産5万㌧のプラントを建設、13年6月稼動を目指す。15年には年産10万㌧の生産能力を確保するとしている。

▽三菱化学
自動車を中心として拡大している需要に対応すべく、タイの子会社サンプレーンタイランド社アマタナコン工場の生産能力を4000トン増設し、年産1万9千トン体制とする。生産開始は2012年4月を予定。投資額は約5億円。

▽宇部興産
韓国のサムスンモバイルディスプレイ(SMD)とディスプレイの基板に使われるポリイミドを生産する合弁会社を設立する契約を5月27日、締結した。 新合弁会社は、SMDが本格量産を計画する次世代ディスプレイの基板用にポリイミドを生産、供給する。

▽ランクセス
ネオジウム触媒ポリブタジエンラバー(Nd―PBR)の新プラントをシンガポールに建設する。 約2億ユーロを投資し、シンガポール・ジュロン島のケミカルパークに年間14万トンの世界最大の製造能力を持つプラントを新設する予定。現在、ジュロン島に建設中のブチルゴム製造プラント(投資額4億ユーロ、2013年第1四半期に稼動開始予定)に隣接して建設される。2015年上半期に稼動開始予定。

▽ダイキン工業
フッ素樹脂を生産している中国・常熟工場(江蘇省)で、フッ素ゴムの生産設備を新設する。自動車産業が急拡大する中国での自動車用部品での環境規制対応製品の需要増に対応するもの。2013年1月の量産開始を予定。

 

工業用品

▽鬼怒川ゴム工業
12月24日、中国安徽省蕪湖市に自動車部品の製造子会社「鬼怒川橡塑(蕪湖)有限公司」を設立すると発表した。 中国の自動車市場は世界最大規模に成長し、今後も拡大が見込まれる。

▽藤倉ゴム工業
12月22日、中国における子会社設立および工場用地取得(50年の借地契約)を決議した。 中国経済の発展に伴い、中国子会社である杭州藤倉橡膠有限公司の生産需要が拡大したため。

▽ニチリン
2月17日、インドネシアのジャカルタ郊外の西ジャワ州に自動車用ホースの製造・販売子会社「ニチリン・インドネシア」(100%出資)を4月に設立すると発表。

▽ホッティーポリマー
タイの建築用ガスケット製品の需要増大に対応、2月22日にタイのアユタヤ県ロジャナ工業団地内に樹脂押出製品の製造子会社「ホッティーポリマー(タイランド)」を設立。

▽バンドー化学
3月28日、インドでの2輪スクーターおよび乗用車用ベルトの需要増大に対応し、同国南部のバンガロール市に新工場を建設することを決定した。約6万8000平方㍍の敷地に約20億円を投資し、2013年年初の操業開始を目指す。

▽ゼオン化成
自動車用塩ビ/PSCで中国・常熟市に生産販売会社日本ゼオン(古河直純社長)の子会社であるゼオン化成(小倉由郎社長)は江蘇省常熟市「東南経済開発区」に瑞翁化成塑料(常熟)有限公司(ZKC)を設立した。

▽横浜ゴム
5月1日、中国上海市にホース、接着剤、コンベヤベルトなどのMB製品の販売会社として上海優科豪馬(よこはま)ゴム制品商貿有限会社を設立する。資本金は75万㌦で、横浜ゴム(中国)有限会社が全額出資する。

▽東海ゴム工業
中国のプレス部品メーカー、天津市津栄天宇精密机械有限公司と東海ゴムの子会社、TRIメテックスとの合弁により、プレス金型を製作・販売する新会社、東海津栄模具(天津)有限公司(略称=TJD)を今年6月に設立すると発表。

▽ブリヂストン
6月1日、油圧ホース用口金具の製造および油圧ホースの加締加工(アセンブリ)を行う常州普利司通流体技術有限公司(CBF)に、油圧ホース本体の生産工場を新たに建設すると発表した。

▽東海ゴム工業
6月16日、中国の顧客向けの自動車用ゴム・樹脂製品を開発する新会社「東海橡塑技術中心(中国)有限公司」(TRTC)を中国 浙江省 嘉興経済開発区内に設立すると発表した。