ランクセス、燃料として水素利用を開始 酸化鉄顔料の乾燥工程で使用

2026年08月24日

ゴムタイムス社

 ランクセスは8月20日、ドイツのクレフェルト・ユルディンゲン拠点における生産プロセスの持続可能性向上の一環として、酸化鉄顔料の乾燥工程で使用する燃料を天然ガスから水素へ切り替えたことを発表した。これにより、同拠点のスプレードライヤーは、ドイツで連続運転される大規模産業設備の中でも、水素を燃料として使用する先進的な設備の一つとなる。同社は、この取り組みにより年間約6000トンのCO2排出量削減を見込んでいる。

 同設備で使用する水素は、隣接するコベストロ社の工場において塩素電解プロセスの副生成物として生産され、パイプラインを通じて同社の工場へ直接供給される。

 同社の無機顔料ビジネスユニット責任者であるミヒャエル・エアトル氏は、次のように述べている。「天然ガスバーナーから水素バーナーへの切り替えは、温室効果ガス排出量の削減に向けた重要な技術的ステップです。私たちは、産業の脱炭素化が実証プロジェクトにとどまらず、大規模生産設備の日常運転においても実現可能であることを示しています」

 同社は、2025年末に水素バーナーを設置し、段階的に稼働を開始した。同設備は、水素のみを燃料として運転できるよう設計されている。導入にあたっては、水素専用配管、水素対応バーナー、計測・制御技術に加え、安全および監視システムの強化も行った。

 コベストロ社クレフェルト・ユルディンゲン拠点の生産責任者であるロブ・イーク氏は、次のように述べている。「このプロジェクトは、フェアブント拠点における企業間の連携が、気候変動に配慮した生産への移行を効果的に推進できることを示しています」

 今回の成功は、フェアブント拠点における高度に統合された生産体制によって支えられている。短距離のパイプライン網、共有インフラ、確立された安全コンセプトにより、水素の安定供給を実現している。

 同社とコベストロ社は、クレフェルト・ユルディンゲン拠点において、長年にわたり協業関係を築いてきた。コベストロ社はニトロベンゼンを供給し、同社はこれを原料として酸化鉄顔料を製造している。その製造過程で副生されるアニリンは、プラスチック製造の重要な原料としてコベストロ社へ供給されている。今回のスプレードライヤーへの水素利用により、こうした既存の生産連携に、気候変動対策の新たな要素が加わる。

ランクセスの無機顔料ビジネスユニット責任者のミヒャエル・エアトル氏(左)と、コベストロ社クレフェルト・ユルディンゲン拠点の生産責任者であるロブ・イーク氏(右)。

ランクセスの無機顔料ビジネスユニット責任者のミヒャエル・エアトル氏(左)と、コベストロ社クレフェルト・ユルディンゲン拠点の生産責任者であるロブ・イーク氏(右)。

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー