三菱ケミカル、日本ポリエチレン、日本ポリプロ、アールエム東セロ、カナオカホールディングス、大日本印刷、東洋製罐グループホールディングス、三井物産、三井物産流通グループ、リファインバースは6月25日、経済産業省「令和7年度 広域自治体における資源循環システム構築の実証事業」を通じて、大都市圏における資源循環システムの実証を実施し、このたび実証を完了したことを発表した。
本事業では、地域ごとに異なる排出特性やインフラ条件を踏まえ、事業者・自治体等と連携しながら、サプライチェーン横断で資源循環モデルを構築・検証した。その結果、地域類型ごとに求められるリサイクル手法や広域連携のあり方、再生材利用拡大に向けた課題と方向性を整理した。
近年、世界的な資源制約や環境問題に対応するため、循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行が加速している。日本においても、資源自律経済の実現を目指した取り組みが進められている一方で、再生材の利用拡大や地域循環システムの構築は途上にあり、自治体間のさらなる連携や、分別・回収・再資源化の高度化・スキーム構築が課題となっている。
経済産業省は、広域的な循環システムの構築と、再生材の安定供給に向けた各種施策を進めており、三菱総合研究所が上記事業の委託先に採択され、三菱ケミカル、日本ポリエチレン、日本ポリプロ、アールエム東セロ、カナオカホールディングス、大日本印刷、東洋製罐グループホールディングス、三井物産、三井物産流通グループ、リファインバースの10社が大都市圏における実証に参画した。
連携10社が参画した実証事業では、2025年9月~2026年2月末までの間、カナオカホールディングス、東洋製罐グループホールディングス、大日本印刷の各工場で発生した端材等の廃プラスチック(食品容器包装用のポリエチレン製フィルム、PE製キャップ、印刷済みポリプロピレン製フィルム)を三井物産、三井物産流通グループ、リファインバースが回収し、リファインバースで前処理を行った後、受け入れ基準を満たした廃プラスチックを三菱ケミカルがケミカルリサイクル(油化)した。得られたケミカルリサイクルナフサはエチレンやプロピレンなどに変換し、これを原料として、日本ポリエチレンでケミカルリサイクル由来ポリエチレン、日本ポリプロでケミカルリサイクル由来ポリプロピレンを製造した。CRPEおよびCRPPの品質を確認した結果、石油由来原料から製造したPEおよびPPと比べて顕著な差は認められず、基本的な物性は同等の水準にあると判断した。さらに、これらを原料としてアールエム東セロ、カナオカホールディングス、東洋製罐グループホールディングス、大日本印刷が食品容器包装材(軟包装材、袋)を試験的に製造した。その結果、CRPEおよびCRPPを用いた軟包装材は、石油由来PEおよびPPを用いた軟包装材と比べて、物性・機能の両面で顕著な差は認められなかった。食品容器包装用途に必要な品質特性の観点からも、両者は基礎物性において同等の性能を有すると判断した。
