帝人フロンティアは6月2日、優れた保温性と高い通気性による蒸れ感抑制という両立が難しいとされる機能を備え、独特の立体感によるエアリーな新規外観と軽く自然な着用感を有することで、さまざまなスポーツ・アウトドアシーンに対応可能な複合嵩高立毛構造体「Nuvolair(ヌヴォレア)」を開発したことを発表した。
同社は、「ヌヴォレア」を2027年秋冬の国内・海外のスポーツ・アウトドア衣料向けの重点注力素材と位置付けて拡販を図っていく。
近年、スポーツ・アウトドア分野では、競技スポーツや登山などに挑戦する本格志向から、ジョギングやトレイルランニングなどを楽しむ健康志向まで、多様なスタイルが定着している。さらに、スポーツウエアを日常のファッションに取り入れる動きも広がっており、高機能保温衣料においては、従来の保温性能だけではなく、運動性能の向上や着用快適性、外観にも優れた商品のニーズが高まっている。
こうした中、同社は、生地の立毛部に中空8フィン断面糸を使用した商品を展開してきたが、保温性と蒸れ感抑制機能の両立に課題があった。また、立毛部に使用する原糸が非捲縮糸であることから、風合いや外観のやわらかさ、ウォーム感が不足し、ファッションおよびカジュアル用途への展開が制限されるという問題もあった。
この課題を解決するため、地組織部に低捲縮糸を、中間結節部に嵩高高捲縮加工糸を使用したダブルラッセル編地を精緻に半裁し、均一でふくらみのある粒状の立毛構造とすることで、優れた軽量保温性と高通気による蒸れ感抑制機能を兼ね備え、ウォームタッチ、エアリーな新規外観などを実現する複合嵩高立毛構造体「ヌヴォレア」を開発した。
「ヌヴォレア」は、ふくらみのある嵩高高捲縮加工糸を中間結節部に適正に配置したダブルラッセル編地を精緻に半裁することで、均一で空気を多く含むふくらみのある粒状の立毛構造を実現している。これにより、優れた保温性と、これまでにないウォームタッチや独特のエアリーな外観などの新質感をあわせ持つ。
地組織部にふくらみの少ない低捲縮糸を用い、編み目が大きくなるような特殊組織で編成しているため、糸間に空隙が生じ、高い通気性による蒸れ感の抑制や軽量性を実現している。
肌側で点接触となっている嵩高高捲縮加工糸が汗を吸い上げ、低捲縮糸に拡散することで、優れた汗処理機能(発汗時の汗冷え防止、吸汗速乾性)を実現してる。
嵩高高捲縮加工糸からなる立毛部は、空気を含む安定した立体構造のため、優れた形態回復性を有し、繰り返しの洗濯や長期着用においても保温性などの機能性を維持するとともに、衣類の型崩れを低減する。
リサイクルポリエステル原料での製造が可能であることに加え、長繊維を用いて起毛しない設計により、繊維の抜け落ちが少なく、海洋マイクロプラスチックの発生を抑えることが可能な環境配慮型素材である。
2027年秋冬の国内・海外のスポーツ・アウトドア衣料向けに「ヌヴォレア」の販売を開始し、2027年度5万m、2029年度に25万mの販売を目指す。

