三井化学と東レが共同開発 省エネ軟包材ラミネートシステム

2026年05月29日

ゴムタイムス社

 三井化学と東レは5月27日、NEDOの補助事業「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム/省エネ軟包材ラミネートシステムの開発」において、三井化学と東レが共同で、無溶剤ラミネーションと電子線(EB)照射をインラインで行うプロセス並びに、そのラミネーション工程用接着剤を業界で初めて開発し、今回、三井化学が保有するウレタン接着剤技術と東レが保有するEB硬化型フレキソ・オフセット印刷技術を融合することで、EB硬化型接着剤の接着性能を大幅に向上させることに成功したと発表した。またインラインにてラミネーションとEB照射を行うプロセスの開発により、フィルム包装製造におけるラミネーション工程の年間消費電力を309万kWh、二酸化炭素(CO2)排出量にして1290t、約61%の削減を達成した。
 今後は、印刷からラミネーションまでを含むフィルム包装製造工程全体の省エネルギー化とCO2排出量削減を図り、環境対応と生産性向上の両立を実現する。

 フィルム包装材は、製品の保護やバリアー性、耐熱性、耐薬品性を高めるため、ラミネーションによる多層化が施されている。軽量性や透明性、加工のしやすさを生かして、食品包装やシャンプー・洗剤などの詰め替えパウチなどに広く利用されている。また、ビンや缶、プラスチック容器からフィルム包装材への移行は、省資源化やフードロス削減に貢献している。フィルム包装材の世界市場は2022年時点で約38兆円、年間成長率は3・2%と拡大を続けている。
 国内のフィルム包装材製造におけるCO2排出量の内訳は、フィルム工程52%、インク・印刷工程32%、ラミネーション工程16%である。フィルムや印刷工程では、バイオ原料の活用やモノマテリアル化、無溶剤化など、CO2排出量削減に向けた取り組みが進んでいる。
 一方、ラミネーション工程では、従来の接着剤に石油系溶剤が使われ、塗工後の加熱乾燥や燃焼処理で多量の電力を消費している。さらに、接着剤はラミネーション直後に完全硬化していないため、外観不良を防ぐ目的で加温処理(熱養生処理、5日間程度)が必要である。この工程により製造時間が長くなり、電力消費も増加する。そのため、ラミネーション工程におけるCO2排出量削減は、早急に対応すべき課題となっていた。
 このような背景の下、NEDOは2023年度から本事業の一環として、三井化学、東レと共同で「省エネ軟包材ラミネートシステムの開発」に取り組んできた。

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