ランクセス、短鎖PFAS除去に成功 選択性イオン交換樹脂を活用

2026年05月28日

ゴムタイムス社

 ランクセスは5月26日、選択性樹脂の「レバチット(Lewatit)MDS TP 108」を用いて、従来のイオン交換樹脂や活性炭フィルターでは除去が困難な、短鎖および超短鎖PFAS(ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)を含む汚染水中のPFAS除去に向けたソリューションを提供している。この度、オランダ・ドルトレヒトのフッ素化学品メーカー、ケマーズ・ネザーランズB.V.で実施された実証試験で、本樹脂が工場規模においても同様の性能を発揮し、製造工程で発生する廃水から、すべての有機フッ素化合物の99・9%超を除去できることが確認されたことを発表した。

 PFASは分解が極めて遅く、環境や生物体内に蓄積して有害性を示す可能性があることから、一般に「永遠の化学物質(forever chemicals)」と呼ばれている。炭素数2~7の短鎖および超短鎖PFASは、下水処理場や浄水施設にとって特に技術的な課題となっている。これらは活性炭への吸着性が低く、また多くのイオン交換樹脂では(特に競合する陰イオンが存在する場合)安定して結合しにくい傾向がある。

 短鎖PFASで汚染された廃水処理を目的として、同社は2024年に均一小粒径の選択性樹脂「レバチット MDS TP 108(Mono Disperse Small)」を開発し、市場投入した。従来のイオン交換樹脂と比べ、樹脂ビーズの直径が約3分の1と小さいことが特長である。これにより、イオン交換容量が向上し、使用寿命の長期化につながる。さらに交換速度が速いため、高流速条件下でもMDS樹脂は性能を維持する。

 ケマーズでは、3段階の浄化プロセスを採用している。第1段階では逆浸透により、PFASが低減された透過水と、少量ながらPFASが高濃度に含まれる濃縮水に分けられる。第2段階では活性炭フィルターにより、濃縮水中の長鎖PFASを除去する。これは、長鎖PFASが選択性樹脂に先に反応して短鎖PFAS除去能力を阻害するのを防ぐための前処理工程である。第3段階では、「レバチット MDS TP 108」を充填した3塔シリーズ運転(一次フィルター1基、ポリッシングフィルター2基)を用いて、炭素数2および3の短鎖PFASを除去する。

南ホラント州ドルドレヒト(オランダ)にあるケマーズ社において、短鎖PFASを吸着するための3段式イオン交換樹脂タンクのカスケード(写真:ケマーズ・ドルドレヒト、Logisticon WaterTreatment社提供)

南ホラント州ドルドレヒト(オランダ)にあるケマーズ社において、短鎖PFASを吸着するための3段式イオン交換樹脂タンクのカスケード(写真:ケマーズ・ドルドレヒト、Logisticon WaterTreatment社提供)

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