マテリアル事業は減収減益 帝人の26年3月期

2026年05月15日

ゴムタイムス社

 帝人の26年3月期連結決算は、売上高が8731億9000万円で前期比13・2%減、事業利益は257億8100万円で同6・6%減、営業損失は707億1400万円(前年同期は718億2800万円の損失)、税引前損失は740億6000万円(前年同期は780億3800万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期損失は880億300万円(前年同期は283億4700万円の利益)となった。

 マテリアル事業領域は、売上高が3386億円で同26・3%減、事業利益は1億円で同98・0%減となった。
 複合成形材料事業の収益性の改善およびアラミド事業における減損処理に伴う償却費減少等が収益に寄与した。一方、アラミド事業での大型定修影響や炭素繊維での販売量減少に伴う操業度悪化の他、競争環境の激化による販売価格の低下等の影響を受けた。

 アラミド事業では、主力のパラアラミド繊維「トワロン」において、欧州の自動車市場の回復遅れや、防弾防護用途における顧客のプロジェクト遅延等が影響した。産業用途での拡販により販売量は増加したが、価格競争が厳しさを増している光ファイバー向け用途の比率が高まり、販売構成が悪化した。加えて、第1四半期の大型定修等による操業度低下もあり、第2四半期末に計上した減損による償却費減少影響が下期に発現したものの、前期比では増収・減益となった。アラミド事業は、現在実行中の抜本的なコスト構造改革により、早期に基礎収益力を回復させることを目指している。

 樹脂事業では、主力のポリカーボネート樹脂において、中国景気の低迷や競争環境の激化が継続したが、販売量は堅調に推移した。原料価格の低下に伴い、販売価格が低下したが、スプレッドは概ね横ばいとなった。結果、前期比では減収となったものの、コスト改善を背景に増益となった。

 炭素繊維事業では、航空機向け用途におけるサプライチェーン上の制約の継続、産業用途では、欧州経済の低迷や競争環境の激化により、販売量が減少し、操業度が低下した。また、汎用品を中心とした販売価格の低下が継続し、前期比減収・減益となった。炭素繊維事業においても、収益力の改善に向け、米国工場の一時休止を含む抜本的なコスト構造改革を実行している。

 複合成形材料事業では、北米事業における収益性の改善および前年度の減損に伴う償却費減少等が収益に寄与した(北米事業は、2025年7月1日に株式譲渡完了)。欧州では、自動車市場の減速を受け、一部車種での需要減により販売量が減少した。結果、前期比減収・増益となった。

 ヘルスケア領域は、売上高が1386億円で同1・2%増、事業利益は134億円で同136・0%増だった。

 27年3月期の連結業績予想は、売上高が8500億円で前期比2・7%減、事業利益は300億円で同16・4%増、営業利益は700億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は450億円を見込んでいる。

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