日本精工ら5社が共同開発 治療用細胞の製造自動化に向け

2026年03月24日

ゴムタイムス社

 日立グローバルライフソリューションズ、日立製作所、日立ハイテク、岩谷産業、日本精工の5社は3月19日、造血細胞移植後のウイルス感染症の治療手段として、東京科学大学が研究を進めている「TPーMVST療法」において、治療用細胞の製造自動化に向けた共同開発を2026年3月から開始することを発表した。

 東京科学大学が研究を進めている「TPーMVST療法」で用いる免疫細胞の製造では、ドナー由来細胞のばらつきに応じた対応が必要であることや複数の工程が手作業に依存していることから、品質の安定化と大量製造の両立が課題となっている。今回の共同開発では、東京科学大学と各社が、それぞれの専門的な知見や技術を持ち寄り、製造プロセスの標準化と自動化による、品質の安定化と大量製造の両立をめざす。

 東京科学大学が、治療用細胞の製造自動化に向けた技術開発をリードし、臨床現場の知見を基礎研究に反映して治療用細胞の質を高める研究手法(リバース・トランスレーショナル・リサーチ)を用いて、開発全体の統括役を務める。日立グループは、日立GLSが温度・湿度・室圧・清浄度といった空気環境を精密に制御する空調エンジニアリング技術を生かして展開する細胞培養加工施設向けソリューションの提供に加え、製造工程で使用する設備や機器の稼働データを収集・活用するデジタライズドアセット化を推進するとともに、日立は細胞培養の最適化のためのシミュレーション技術開発を、日立ハイテクが細胞培養工程の自動化に関する開発を、それぞれ手掛ける。また、岩谷産業は、完成した治療用細胞の凍結保存に関する手順の開発を、日本精工は、回転技術を基盤とした精密制御技術を生かし、細胞洗浄・精製工程を自動化する機器に関する開発を、それぞれ担当する。

 東京科学大学と各社のバイオ医薬の知見(ドメインナレッジ)を結集するとともに、日立グループが製造工程のデジタライズドアセット化を通じて収集するデータを活用し、品質の安定化と大量製造を両立する治療用細胞の製造自動化の実現をめざす。また、今回参画する日立グループの3会社・部門が所属する日立のコネクティブインダストリーズセクターでは、プロダクトの豊富なインストールベース(デジタライズドアセット)のデータにドメインナレッジと先進AIを組み合わせた産業分野向け次世代ソリューション群「HMAX Industry」のラインアップとして、バイオ医薬向けに新たなソリューションの開発を推進する。
 これらの取り組みにより、将来的には、重症化や長期化が課題となっている造血細胞移植後のウイルス感染症に対する新たな治療手段として確立を図り、人々のQoL向上に貢献していく。

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