レゾナックとみずほ銀行が締結 トランジションローン契約

2026年03月24日

ゴムタイムス社

 レゾナック・ホールディングスとみずほ銀行は3月23日、同日にレゾナックの川崎事業所におけるプラスチックケミカルリサイクル設備を資金使途としたトランジションローン契約を締結したと発表した。
 同件は川崎市が策定した「川崎港CNPグリーン/トランジション・ファイナンス・フレームワーク」を活用する第1号案件であり、また、脱炭素成長型経済構造移行推進機構の債務保証制度を活用している。
 レゾナックは2003年からKPR事業を推進しており、KPRは20年以上の長期にわたり安定的な商業運転を達成している世界で唯一のガス化ケミカルプラントとなる。
 近年は原料の多様化にも取り組んでおり、2024年からは使用済みプラスチックに加えて、使用済み衣料を原料とする取り組みを進めている。
 KPR事業は2025年9月に水素社会推進法に基づく「価格差に着目した支援」の対象事業に認定され、都市ガスを改質することによって得られる水素を使わずに、使用済みプラスチックのガス化にて得られた水素のみを原料にして、低炭素アンモニアを製造する新たなプロセスの開発・導入に取り組んでいる。
 使用済みプラスチック由来の原料のみでアンモニアを製造することで、副生品である炭酸ガスも含めた低炭素化や、資源循環が可能な環境価値の高い製品を供給することを通じたサプライチェーン全体での産業競争力強化をめざしている。
 トランジションローンとは、脱炭素社会実現に向け、脱炭素化・低炭素化を推進する企業の移行の取り組み(トランジション)を資金使途とするローンとなる。同件はレゾナックが同社および川崎港のカーボンニュートラル達成に向け、川崎港CNPフレームワークに基づきKPR事業への投資資金の一部を調達するものとなる。
 川崎港CNPフレームワークは、資金使途となる事業が川崎港港湾脱炭素化推進計画(CNP形成計画)において「港湾脱炭素化促進事業」として位置付けられていることを前提に、通常のサステナブルファイナンスにおいて課題となる資金調達者によるフレームワーク策定や第三者評価取得費用といった負担を削減できる仕組みとなる。
 GX推進機構はGX推進法に基づく認可法人として2024年5月に設立され、カーボンニュートラル達成と日本の産業競争力強化・経済成長を同時に実現するためのドライビングフォースとして、2023年度からの10年間で官民合わせて150兆円超のGX投資を実現するための金融支援業務等を担っている。
 KPR事業においては、アンモニアの原料の一部を都市ガス由来から全量使用済みプラスチック由来の水素に置換することにより、使用済みプラスチックを焼却処理することなく資源として活用する取り組みを拡大する。これにより、焼却に伴うCO2排出の発生を回避し、資源循環の高度化と低炭素型の製造プロセスへの転換に寄与することが期待される。
 さらに、原料調達から製造までの全プロセスが国内で完結することで、サプライチェーン強化が期待されることから、同事業はGXの推進と産業競争力強化・経済成長の観点で政策的意義があるものとして、GX推進機構による債務保証の決定に至った。
 レゾナックは、サステナビリティを経営の根幹に据えており、脱炭素社会および資源循環型社会の実現に向けて、企業間の枠を超えた共創を図りながら今後も取り組みを進めていく。技術の高度化を通じて、さらなる資源循環と脱炭素化の両立を図る。
 〈みずほ〉は、ありたき将来の日本の産業構造「グランドデザイン」を描き、その実現に向けてユーザーの脱炭素化・トランジションを積極的に支援している。〈みずほ〉の強みである「産業・業界知見」や「つなぐ力」を活かしたグループ一体でのソリューションの提供を通じて、ユーザーとともに挑戦する。
 川崎市は、304の事業者・団体等から賛同を得た脱炭素戦略「かわさきカーボンゼロチャレンジ2050」を推進し、市民・事業者・行政が一丸となり、2050年の脱炭素社会の実現をめざしていく。

川崎プラスチックリサイクルプラント

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