旭化成エレクがIEEEマイルストーンに認定 磁気センサーの普及貢献を評価

2026年02月20日

ゴムタイムス社

 旭化成エレクトロニクスは2月19日、同社が1983年に開始した「薄膜ホール素子の商用化」がInstitute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)より、IEEEマイルストーンとして認定されたと発表した。
 IEEEマイルストーンとは1983年にIEEEにより創設された制度で、電気・電子の広範な分野において達成された画期的なイノベーションの中で、開発から少なくとも25年以上経過し、社会や産業の発展に多大な貢献をした歴史的業績を認定するものとなる。
 同社が1983年に商用化した薄膜高感度ホール素子は、薄膜インジウムアンチモン(InSb)を磁性体であるフェライト基板とフェライトチップで挟み込むことで磁束を収束させ感度を大幅に向上させるとともに、電極構造の工夫と金ワイヤーボンディングを採用することで、高感度・高信頼性・優れた温度安定性・量産性を実現した。
 この度の認定では、これらの特徴により大規模生産が可能となり、磁気センサーを幅広い分野へ普及させることに大きく貢献した点が評価された。
 この薄膜高感度ホール素子は、主にブラシレスモーターに用いられ、ビデオカセットレコーダー、フロッピーディスクドライブ、CDーROM、冷却ファンなど多くの電子機器に採用され、世界市場で広く普及している。また、同技術をもとに開発されたホールセンサー製品群(ホール素子、ホールIC等)の累計出荷数は2026年現在、500億個を超えている。
 1983年に登場したHWシリーズは、薄膜ホール素子を用いた磁気センサー量産化の第一歩となり、その後の技術発展と応用拡大の礎を築いた。薄膜ホール素子は基本構造を維持しながら性能を進化させ続け、それまで産業用途が中心であった磁気センサーを小型化し、大量生産を可能にすることで、家庭用電子機器への広範な応用を実現した。現在では、世界中の電子機器に搭載される磁気センサーの標準技術の一つとして広く認知されている。
 今回認定されたホール素子量産技術を基盤として、同社では精密位置検出や電流センサーといった新たなセンシング分野にも磁気センサーの応用を拡大させており、スマートフォンのカメラ性能の向上(手ブレ補正・AFユニットの性能向上)や、電気自動車の航続距離の延伸など、デジタル機器やモビリティの高性能化にも貢献している。また、同量産技術はホール素子だけでなく、赤外線センサーやLEDなどの多様なデバイスにも応用されている。

ホール素子

ホール素子

薄型高感度ホール素子の内部構造

薄型高感度ホール素子の内部構造

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