住友理工は7月9日、田辺市立本宮小学校が6月10日に実施した歯科健康診断における咬合力測定において、同社が新たに開発した歯科用咬合力計(仮称:Oramo)が採用されたことを発表した。
同社が開発したIタイプのセンサーによる咬合力測定は、本宮小学校および当学校歯科医らの要望により、児童に噛むことの大切さや歯と口の健康に対する意識向上に向けた活動の一環として実施された。なお、学校で行われる歯科健康診断での同社品の活用は、今回が初となる。
今回、児童の口腔機能を総合的にチェックするため、歯科健康診断に加え、咬合力測定・咀嚼能力評価を実施し、咬合力測定において、同社の新規開発品が活用された。咬合力測定は、学校歯科医による歯科健康診断の後に実施され、児童からは、「自分の噛む力がどれくらいか気になる」「噛む力が強いと言われて嬉しかった」などの感想があった。また、教職員からは、「児童が自身の噛む力を知り、噛むことの重要性を学習するきっかけに繋がる」という声や、「噛む力と学力・運動能力がどのように関連するのか興味深い」「噛むことに着目した一連の活動を継続していくことにより、今後どのように変化していくのか楽しみ」とのコメントがあった。当学校では、今後も学校保健活動を通じ、児童への口腔機能に関する取り組みの意欲向上や歯と口の健康に対する意識向上により、児童がますます力を伸ばし、健康になっていくことを目指している。
従来の同社製品である口腔機能モニター「Oramoーbf」は、2022年7月に販売を開始し、主に高齢者の咬合力検査機器として、大学などの研究機関から歯科診療所など幅広く使用されている。使いやすさを考慮したコンパクトな設計で、訪問歯科診療や災害時の歯科医療活動の一環としても活用されている。さらに、小児や口を大きく開けることが難しい方の咬合力を計測したいという利用者の声に応えるため、新たに開発したのが、Iタイプ(個歯で計測)のセンサーとなる。従来の機能(対象者の口腔内にセンサーを挿入し、噛むだけで咬合力を簡単に短時間で測定することが可能)に加え、Uタイプ(全歯で計測)とIタイプのセンサーを取り換えることで、より多くの方の咬合力検査が可能な製品として、今後発売を予定している。