神戸製鋼所はこのほど、機械事業部門のインド拠点であるKobelco Industrial Machinery India (KIMI)の工場拡張投資を意思決定したことを発表した。総投資予定額は約30億円で2027年度の拡張部完工を予定している。
同社は2010年にインドの建設エンジニアリング最大手で産業機械なども手掛けるラーセン・アンド・トゥブロ社(L&T社)と合弁(当社49%出資)でLTKM社を設立した。2019年には、当社がLTKM社を完全子会社化したことに伴い会社名をKIMIとして以来、KIMIはインドおよび周辺地域におけるタイヤ・ゴム機械(ゴム混練機、ゴム押出機)の製造、販売拠点として着実に事業を拡大してきた。
近年、とくにインド市場においては、自動車の生産増加に伴いタイヤ・ゴム機械の需要がさらに拡大しており、今回の拡張投資により更なる生産能力強化と事業成長を図るとしている。
併せて、工場拡張に伴いKIMIに非汎用圧縮機用(発電や化学プラント等幅広い用途向けに使用される、空気やガスを圧縮し連続的に送り出す装置)の生産設備を新たに設置する。現在、非汎用圧縮機は日本、米国、中国、韓国に生産拠点を有するが、将来的なエネルギー転換に関連する市場拡大とコスト競争力強化、インドを始めとした将来的な中近東・アフリカ市場への進出、また近年顕著になりつつあるカントリーリスクの低減に向けて生産拠点の多様化を図るべく、今回の拡張投資によりインドでの生産を開始し事業の強化を推進する。
また、今回の拡張投資に先立って、2025年1月にKIMIチェンナイ支店としてKobelco Machinery Global Capability Center, Chennaを開設し、タイヤ・ゴム機械や非汎用圧縮機を中心とした設計・開発業務を開始している。
これらのリソースを総合的に活用することにより、顧客に満足してもらえるよう、同社機械事業はインドを拠点としたさらなるグローバル市場でのプレゼンスの向上と事業拡大を図る。