横浜ゴムは7月4日、2025年6月に、タイ天然ゴム公社スラタニ支局と共同で、タイの天然ゴム農家に対し、天然ゴムの品質および生産性向上に向けたセミナーイベントを開催したと発表した。
2020年の初開催から数えて9回目となる今回のセミナーにはスラタニ地区の50戸の農家が出席し、参加者には後日、同社からタイ天然ゴム公社の知見を活かした肥料を無償提供した。
同セミナーでは天然ゴムの苗木の選択や植え方に加え、肥料を与えることの目的と効果や天然ゴムへの異物混入防止の重要性などについての講義を実施。多数の参加者から実践的かつわかりやすい講義内容に感謝の言葉をもらうなど、今回の開催も好評を博した。
なお、参加した農家からは、提供した肥料の有無による天然ゴム物性への影響や季節要因などを調べるためのサンプル用の樹木を選定し、年間を通じて追跡調査していく取り組みへの協力を得ている。
同社は2020年1月、同社の「持続可能な天然ゴムの調達方針」に基づき、タイ天然ゴム公社と天然ゴム農家の経営支援およびサプライチェーンの透明性と健全性を確保するためのトレーサビリティの向上に協力していく覚書を締結した。セミナーイベントは同覚書に基づき、農家支援の一環として同社の天然ゴム加工会社のY.T.Rubberが立地するスラタニ地区で開催しているもの。
同社は、持続可能な天然ゴムのためのプラットフォームに創設メンバーとして参画するとともに、2021年9月には従来の「持続可能な天然ゴムの調達方針」を改定し、GPSNRの活動との連携を強めている。
今回のセミナーイベントは同方針に掲げられた「サプライチェーンに関わる方々への支援」を反映したもので、今後も同方針で定めた活動指標に沿った取り組みを実施し公表していく。
また、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に取り組んでおり、その一環として天然ゴムをはじめとしたサステナブルな原料調達に向けた活動を推進している。
同社はサステナビリティ・スローガンとして「未来への思いやり」を掲げ、事業活動を通じた社会課題への取り組みにより、共有価値の創造を図っている。
2025年07月08日