タイヤ事業は微増収減益 住友ゴム工業の1~3月期

2025年05月16日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業の25年12月期第1四半期決算(IFRS)の売上収益は2877億8000万円で前年同期比1・2%減、事業利益は141億3200万円で同39・0%減、営業利益は123億1800万円で同40・5%減、四半期利益は35億6100万円で同85・7%減となった。
 第1四半期の事業利益の増減要因を見ると、価格で28億円、数量・構成他で15億円、固定費で20億円、産業品他で8億円の増益要因となった。一方、減益要因は原材料で88億円、直接原価で6億円、為替で15億円、経費で28億円、スポーツで25億円となり、合計で91億円の減益となった。
 セグメント別では、タイヤ事業の売上収益は2445億7400万円で同0・2%増、事業利益は109億3200万円で同40・2%減となり、売上収益は第1四半期では過去最高となった。国内新車用タイヤは、前年同期に一部自動車メーカーによる減産などもあり販売本数は前年同期を大きく上回った。国内市販用タイヤは冬タイヤを中心に業界需要が好調で、冬タイヤの販売は大幅に上回った。夏タイヤは、採算重視の販売方針で前年同期から微減。国内市販用タイヤ全体はオフテイク品の受注減が響き前年を下回った。
 海外新車用タイヤは中国を中心にアジア圏における自動車メーカー向けが大きく減少した。海外市販用タイヤは、アジア・大洋州地域で中国での販売は市況低迷の影響で低水準にとどまるが、インドネシアでの販売が回復したことなどもあり、全体は前年同期を上回った。
 欧州地域はFALKENブランドの強みであるオールシーズンタイヤは拡販したが、インフレや市況の低迷を背景に欧州全体としての販売は前年同期を若干下回った。
 米州地域は、主力商品のワイルドピークシリーズは販売好調を維持したが、全体は前年同期の販売本数が多かったこと、引き続き他社の廉価品のシェア拡大の影響もあり、前年同期を下回った。
 スポーツ事業の売上収益は324億2300万円で同11・7%減、事業利益は17億3600万円で同58・9%減となった。ゴルフ用品は日本や米国では増収となったが、韓国の市況悪化の影響が大きく、売上収益は前年を下回った。テニス用品は主要市場の日本や欧州で増収となったことから、売上収益は前年同期を上回った。
 産業品他事業の売上収益は107億8300万円で同2・1%増、事業利益は14億8300万円で同121・9%増となった。医療用ゴム製品について昨年1月に欧州の製造・販売子会社株式の譲渡を実施したことにより欧州向け販売が減少したことなどがあったが、インフラ事業を始め、制振事業やOA機器用ゴム部品事業の販売が好調であったことなどにより増収となった。
 同社は25年12月期上半期並びに25年12月期通期連結業績予想を修正した。第2四半期連結業績予想は、年初予想と比較し販売面はタイヤ販売本数が減少する見込み。利益面はタイヤ販売価格の値上げ効果が縮小するものの、固定費や経費などが改善する見通し。
 25年12月期通期については、為替の円高の影響やタイヤ販売本数の減少を反映し年初予想よりも売上収益の減少が見込まれるが、利益面は米国の関税引き上げに起因するマイナス影響を価格転嫁等で吸収する計画とし、年初予想を維持した。
 25年12月期上半期業績予想は、売上収益5900億円(前回発表6000億円、増減率1・7%減)、事業利益300億円(据え置き)、営業利益280億円(同250億円、増減率12・0%増)、当期純利益130億円(据え置き)を見込む。
 また、25年12月期通期業績予想は、売上収益1兆2200億円(前回予想1兆2500億円、増減率2・4%減)、事業利益950億円(据え置き)、営業利益840億円(据え置き)、当期純利益450億円(据え置き)を見込んでいる。

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