樹脂製品事業は増収減益 クレハの25年3月期

2025年05月14日

ゴムタイムス社

 クレハの25年3月期連結決算は、売上収益が1620億1500万円で前期比9・0%減、営業利益は94億2800万円で同26・3%減、税引前利益は102億1800万円で同26・6%減、親会社の所有者に帰属する当期利益は78億円で同19・9%減となった。
 機能製品事業のリチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂の売上げが減少したことに加え、樹脂製品事業の業務用食品包装材分野において熱収縮多層フィルムの販売を上期で終了したことにより、前期比で減収減益となった。

 セグメントのうち、機能製品事業は、売上収益が573億7200万円で同11・1%減、営業損失は19億9100万円となった。機能樹脂分野では、リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂、PPS樹脂およびシェールオイル・ガス掘削用途向けのPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品の売上げが減少したこと、およびPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品の棚卸資産評価減の戻入益が前期に比べて減少したことから、この分野での売上、営業利益はともに減少した。炭素製品分野では、球状活性炭の売上げは増加したが、高温炉用断熱材の売上げが減少したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに減少した。

 樹脂製品事業は、売上収益が405億2800万円で同14・4%増、営業利益は70億9700万円で同13・4%減。コンシューマー・グッズ分野では、フッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上げが増加したが、家庭用ラップ「NEWクレラップ」の売上げが減少したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに減少した。業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルムの販売を上期で終了したことにより、売上げ、営業利益はともに減少した。

 26年3月期の連結業績予想は、売上収益が1650億円で前期比1・8%増、営業利益が140億円で同48・5%増、税引前利益は140億円で同37・0%増、親会社の所有者に帰属する当期利益が100億円で同28・2%増を見込んでいる。

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