エラストマー事業は増収増益 日本ゼオン、24年度業績

2025年04月28日

ゴムタイムス社

 日本ゼオンは4月25日、豊嶋哲也社長や松浦一慶取締役常務執行役員、曽根芳之取締役常務執行役員らが出席し、25年3月期(24年度)通期決算説明会を開催した。25年3月期売上高は4206億4700万円で前期比10・0%増、営業利益は293億2100万円で同43・0%増、経常利益は330億5100万円で同22・8%増、当期純利益は261億9900万円で同15・8%減となった。
 豊嶋社長は「24年度業績は高機能樹脂が堅調だった。エラストマー素材も原材料価格高騰分の販売価格改定および為替の円安進行が増収に貢献した」と総括した。その結果、25年3月期の売上高ならびに営業利益、経常利益は過去最高を達成した。
 セグメント別では、エラストマー素材事業の売上高は2365億6000万円で同9・9%増、営業利益は109億3100万円で同64・7%増となった。合成ゴムは、原料価格高騰による販売価格改定および為替円安が進行し、24年度は増収増益。ラテックスは、手袋向けラテックスの出荷量の増加や原料価格高騰による販売価格改定、為替円安が進行して増収増益となった。
 同セグメントの営業利益の増減要因(対前期比)は、価格差で117億円、為替差で49億円の増益要因となったのに対して原価差で71億円、販管費差で48億円、数量差で4億円の減益要因となり、全体で43億円の増益となった。
 高機能材料事業の売上高は1216億1700万円で同13・3%増、営業利益は175億6000万円で同32・6%増となった。高機能樹脂関連では、光学用途向け・半導体容器向けシクロオレフィンポリマー(COP)の需要が堅調に推移し、出荷量は増加した。さらにモバイル端末向け光学フィルムの新モデル生産開始時期の前倒しによる出荷量増および大型テレビ向け光学フィルムの需要が堅調で売上・営業利益は前年を上回った。
 26年3月期(25年度)通期連結業績予想は、売上高は4095億円で前期比2・7%減、営業利益は280億円で同4・5%減、経常利益は280億円で同15・3%減、当期純利益は250億円で同4・6%減を見込んでいる。25年度業績予想について豊嶋社長は「24年度と比較して為替は円高に、主原料価格は下落することを前提に売上高は減少を予想。営業利益は24年度に水島工場の1系列の不具合解消による増益効果があるものの、為替および主原料価格下落による売上高減少をカバーするに至らず減益になる見通し」と述べた。

 米国の関税施策による影響について豊嶋社長

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