ジャパンケムテック 日本市場で積極販売へ

2011年04月11日

ゴムタイムス社

 ジャパンケムテック㈱(東京都港区台場)は、TSRC(旧台湾合成ゴム、本社=台北)の水添熱可塑性エラストマー「TAIPOL SEBS」を日本市場で本格販売を開始する。 TSRCは台湾(高雄)、中国(南通)およびタイにSBRおよびBRを合わせて45万㌧の生産設備を持つ合成ゴムメーカーのアジア最大手。

 スチレン系 TPEのSBS、SIS、SEBSについては高雄工場に合わせて3万8000㌧(このうちSEBSは1万㌧)、南通工場にSEBSの2万㌧の生産能力を持 ち、アジアだけでなく北米や欧州を含め、グローバル規模で販売、急成長を遂げている。日本市場ではジャパンケムテックがSEBS総販売代理店になってお り、開発期間を経て、顧客への販売を本格化している。「TAIPOL SEBS」は高い機能性が評価され、アジア市場で需要が急増している。このため、TSRCは現在、南通工場で1万5000㌧の能力増強を進めており、2012年年央には稼動させる計画。 自動車関連を中心とした需要拡大に伴い、既存メーカーの供給に不安を持つ有力顧客が、新たなSEBSの供給メーカーとしてTSRCを指名するケースが増 えつつあるという。

 3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により、鹿島コンビナート(茨城県)が被災、材料メーカーのプラント停止により合成ゴムやエ ラストマー製品の供給逼迫が長期化する恐れも危惧されており、輸入品であるTSRC製品の需要が今後、増加することが予想される。 完成後の南通工場の年産能力は、SEBSとして3万5000㌧体制となり、今後の市場動向によっては更なる増強も検討する。 南通工場で製造される「TAIPOL SEBS」は5グレードがあり、ポリマーは直鎖構造。いずれも樹脂改質、工業用品、スポーツ用品、一般成形用途に適し「6150」グレードは、このほか粘接着剤向けにも適する。

 ジャパンケムテックは、シェルケミカルズジャパンと物流関連の上野グループとの合弁会社として1999年に設立。これまでシェルケミカルズ社、モメン ティブスペシャリティーケミカルズ社などの海外メーカーの販売代理店として高い実績を有しており、マーケティング力に物流、販売ネットワークを組み合わせ たトータルディストリビューションサービス(TDS)機能を生かして化学製品の販売で実績を重ねている。 同社では「TSRCのSEBSは、既に世界市場で標準グレードとなっている設計であり、価格競争力に加えて安定供給性の面からも信頼を得ており、既存品からの代替を進め、国内シェアの拡大を目指したい。」としている。

 問い合わせ先=ジャパンケムテック㈱(化成品営業本部 電話=03‐3520‐2063)

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