三洋化成 外科用止血シーラントの薬事承認を取得

2012年01月19日

ゴムタイムス社

 三洋化成工業(株)(本社京都市東山区、安藤孝夫社長)は、外科手術において、人工血管との外科手術における手技の一つである吻合(ふんごう)部の止血に使われる外科用止血シーラントの開発を進めた結果、2010年6月14日に厚生労働省に薬事承認申請を行い、新しいタイプの外科用止血シーラントとして、医療機器の薬事承認を取得したと報告した。同社はこれまで殺菌消毒剤や体外診断用医薬品などの薬事承認を取得してきたが、医療機器としての薬事承認の取得は今回が初めて。今回の適用範囲は、臨床試験(治験)を実施した胸部大動脈における人工血管吻合の外科手術だが、今後、適用範囲の拡大を図っていくという。

薬事承認取得日:2011年12月20日
医療機器承認番号:22300BZX00467000
販売名:マツダイト
一般的名称:中心循環系非吸収性局所止血材

 この外科用止血シーラントは、胸部大動脈における外科手術の際、血管と人工血管または人工血管どうしを吻合する際に、通常の外科的処置による止血を補助する目的で患部に塗布して使用される。

 現在、一般的にはヒト血液を原料として用いたフィブリン糊が最も多く使われているが、このフィブリン糊は、止血性能が患者の血液凝固能に依存しているために、血液凝固能が低下した状態では止血効果が得られにくく、かつ、接着力が弱いことから止血性能が低い場合があり、フィブリン糊による処置では止血できないことがある。そのような背景から非生物由来で患者の血液凝固能に依存しない新しいタイプの外科用止血シーラントは開発されたという。これは、同社のコア技術であるウレタン技術を応用した合成系の止血材であり、シリンジに充填された含フッ素ポリエーテル系ウレタンプレポリマー(重合を最適な状態で止めた中間生成物)の両末端にある反応性のイソシアネート基が、患者の生体組織表面に存在する水分に反応して数分で組織接着性に富む硬化被膜を形成し、高い止血性を発現する。

 外科用止血シーラントの特長は以下のとおり。

1.患者の血液凝固能に係らず、生体組織表面に存在する水分を利用して反応が進み、数分で組織接着性に富む硬化被膜を形成するため、止血性に優れる。

2.硬化被膜が生体軟組織の拍動などの運動に対して追随する柔軟性を持つ。

3.ヒトや動物に由来する原材料を使用しない合成系の止血材なので、ウイルス感染のリスクがない。

 これらの特長により、胸部大動脈での生体血管と人工血管、あるいは人工血管どうしの吻合が必要な外科手術が、これまで以上に確実で安心なものになることが期待できるという。 現在、同社では厚生労働省の保険適用を受けた後、2012年夏頃に予定している販売開始に向けて外科用止血シーラントの準備を進めている。また、胸部大動脈における人工血管吻合の外科手術以外でも活用できるよう、適用範囲の拡大を図っていく。

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