水と自然の保護目標発表 ダウ、気候変動緩和に向け

2024年05月24日

ゴムタイムス社

 ダウは5月22日、水と自然の保護に焦点を当てた気候変動の緩和に向けた明確なマイルストーンを設定し、「気候変動(Protect the Climate)」目標を拡大することを発表した。
 2030年までに、同社は土地管理戦略を確立し、水依存度の高い上位20の事業所がウォーター・スチュワードシップ計画を策定し、そのうちの10事業所は水の課題に対しレジリエントな(回復力のある)状態を目指す。2035年までに、同社の全事業所でウォーター・スチュワードシップ計画を策定する。2050年までに、同社は50000エーカーの生息地を保護するために協力し、水に依存する上位20の事業所が水の課題に対しレジリエントな状態を達成する。
 同社は科学企業として、急速に変化する気候や社会経済状況が水や自然に与える影響を理解しており、同社の事業所と周辺の自然生態系がレジリエントな状態になり、干ばつや洪水などの予測不可能な状況に耐えられるよう支援することを目的に、新しい「水と自然戦略」を設計した。
 レジリエントな水環境と健全な生態系の利益のため、同社は素材科学の専門知識と高度なエンジニアリング能力を活用できる独自の立場にあり、同社の新戦略は、「工場のフットプリントをサステナブルに管理」、「サプライチェーン全体を巻き込む」、「顧客やバリューチェーンパートナーとのイノベーション」の3つの主要分野に重点を置いている。
 同社は主に冷却プロセスの管理に水を使用しており、取水した水の95%以上を環境に戻している。一部の脱炭素技術やバイオベース資源は自然の生態系に依存しており、水と自然は同社の脱炭素・成長戦略にも関連している。
 同社は流域の利害関係者や自然保護団体と協力し、一貫した品質とアクセス、適切な供給、変動する状況に備えたインフラを支援する。新戦略は、同社の事業とサプライチェーン、流域と土地のダイナミクスを考慮し、水と自然のスチュワードシップの複雑さを反映している。
 同社は、自然関連財務情報開示タスクフォース (TNFD)の下、2025年の報告年度から自主的な開示により目標の進捗状況を報告する。また、INtersections年次進捗報告書の一部として、排出量、消費量、原単位について引き続き報告する。

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