東洋紡せんいが新開発 熱可塑性炭素繊維複合糸 

2024年05月08日

ゴムタイムス社

 東洋紡せんいは、長年培った複合紡績糸技術を応用し、炭素繊維と熱可塑性繊維から成る熱可塑性炭素繊維複合糸「CfC yarn」を開発した。島精機製作所と共同で同社のホールガーメント横編機を用いることにより、熱可塑性炭素繊維複合材(CFRTP)向け中間基材として立体成形することに成功した。
 炭素繊維複合材(CFRP)とは、炭素繊維を樹脂などの異なる素材で固めた複合材料で、軽くて強いうえに腐食せず、耐熱性も高いなどの特長を持つことから、自動車やバイク、土木建築用途から飛行機やレーシングカーなど、厳しい環境下での耐性が求められる幅広い用途向けに採用されている。
 炭素繊維と熱硬化性のエポキシ樹脂などを固めた熱硬化性炭素繊維複合材と、これをポリアミドやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂に変えた熱可塑性炭素繊維複合材とがあるが、近年では、生産性や環境配慮の観点から、長期保存や再成形が可能な熱可塑性炭素繊維複合体の採用が拡大している。
 このたび同社が新開発した熱可塑性炭素繊維複合糸「CfC yarn」は、独自の複合紡績糸技術による糸構造を持たせることで、高い強度を得るのに必要な複合樹脂の含浸性や成形を容易にする柔らかい風合いを有するのが特長となる。これまで炭素繊維複合材料では複雑な形状への成形が難しいなどの課題があったが、同社の「CfC yarn」は、縫製工程が不要で糸から立体的な横編み製品を自在に作ることができる島精機製作所のホールガーメント横編機を用いることで、熱可塑性炭素繊維複合材向け中間基材として自由度の高い立体成形を可能にした。
 「CfC yarn」を用いて編み上げた立体状の中間基材にプレス加工などを施すことで、一般的な炭素繊維複合材と同等の性能を持つ、立体的な炭素繊維成形品を実現できる。
 同社は、今後、島精機製作所と連携し、モビリティ領域をはじめとする国内外のさまざまな業界・メーカーなどに積極的に提案を進めていく。保存性や生産性、リサイクル性で優位な環境配慮型の熱可塑性炭素繊維複合材向け立体中間基材の普及拡大に努めていく。
 第4回サステナブルマテリアル展(大阪)の期間は、2024年5月8日~10日、会場はインテックス大阪5号館、同社ブース10―1となる。

新開発の熱可塑性炭素繊維複合糸「CfCヤーン 」

新開発の熱可塑性炭素繊維複合糸「CfCヤーン 」

炭素繊維複合糸「CfCヤーン」を立体成形した熱可塑性炭素繊維複合材向け中間基材の試作品(左プレス加工前、右プレス加工後)

炭素繊維複合糸「CfCヤーン」を立体成形した熱可塑性炭素繊維複合材向け中間基材の試作品(左プレス加工前、右プレス加工後)

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