ソルベイは10月５日、自動車の電動化における大幅な性能向上を目的としたＳｕｐｒｅｍｅ（シュープリーム）シリーズに、新しく２種のライトン ポリフェニレンスルフィド（ＰＰＳ）コンパウンドを追加しラインナップを拡張したことを発表した。新製品の「ライトンＳｕｐｒｅｍｅ ＨＶ」と「ライトンＳｕｐｒｅｍｅ ＨＦ」は、ｘＥＶの充電時間の短縮および走行距離の延長に寄与し、より快適な運転環境を実現するために開発された製品。
ライトンＳｕｐｒｅｍｅ ＨＶは高電圧に対応するＰＰＳ材料であり、クラス最高の電気性能を発揮する６００Ｖの比較トラッキング指数（ＣＴＩ）と、１７５°Ｃ超の相対温度指数（ＲＴＩ）による優れた耐熱性を兼ね備え、ＵＬ94規格でＶ－０の難燃性を有している。これらの特性は、パワーエレクトロニクス分野におけるハウジングやチップ・キャリアといったコンポーネントの安全性と信頼性向上に寄与する。
また、ライトンシュープリームＨＦは高い機械的強度と０・３ｍｍの薄肉部品を成形可能な高流動性を発揮するＰＰＳ材料であり、部品の小型化とパッケージの最適化に貢献する。主な用途としてステーターやインシュレーターに用いられるボビン部品が挙げられ、ライトンシュープリームＨＦを使用した場合、薄肉化によってコイルの温度を下げることができ、信頼性の高い熱管理が可能になる。
これらの新しいライトンＰＰＳシュープリームシリーズは、２０２３年10月17日から21日にかけて独フリードリヒスハーフェンで開催される「Ｆａｋｕｍａ２０２３」の期間中に同社のブース（ホールＢ４の４２１３）にて展示紹介される。また、10月17日午前11時40分から行われる出展者フォーラムでは、同社の担当者が登壇し、「Ｔｈｅ Ｓｕｐｒｅｍｅ ｒａｎｇｅ：ｄｅｓｉｇｎｅｄ ｔｏ ｍｅｅｔ ｅ－ｍｏｂｉｌｉｔｙ ｃｈａｌｌｅｎｇｅｓ ａｎｄ ｍａｋｅ ｄｒｉｖｅｒｓ’ ｌｉｖｅｓ ｅａｓｉｅｒ（シュープリーム製品ラインナップ：ｅ－モビリティの課題に対応し快適な運転環境を実現）」と題した講演を行う。
