増収もコア営業は2割減益 三菱ケミカル4~12月期

2023年02月08日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルグループは2月7日、ジョンマーク・ギルソン社長や中平優子CFOらが出席し23年3月期第3四半期決算概要並びに23年3月期通期見通しを説明した。23年3月期第3四半期の売上収益は3兆4061億6500万円で前年同期比17・4%増、コア営業利益は1778億8100万円で同18・8%減、四半期利益は170億3900万円で同86・0%減となった。
 セグメント別では、機能商品セグメントの売上収益は9445億円で同11・3%増、コア営業利益は541億円で同5・9%減となった。このうち、ポリマーズ&コンパウンズの売上収益は2601億円で同10・4%増、コア営業利益は212億円で同64・3%増。原料価格上昇に伴い食品や自動車用途などで価格転嫁が進捗した。
 フィルムズ&モールディングマテリアルズの売上収益は3980億円で同11・2%増、コア営業利益は218億円で同36・4%減となった。製品ではエンジニアプラスチックや炭素繊維複合材料の需要は堅調だったが、ディスプレイ市場の急激な需要減で光学用フィルムの販売は減少した。
 ケミカルズセグメントの売上収益は1兆1014億円で同19・5%増、コア営業利益は193億円で同76・9%減となった。MMAは2150億円で同4・1%減、コア営業利益は0億円(前年同期は295億円の利益)だった。石化の売上収益は5976億円で同14・5%増、コア営業利益は94億円で同72・0%減となった。
 23年3月期通期業績見通しは前回発表の数値を下方修正した。売上収益は4兆5140億円(前回予想4兆7250億円、増減率4・5%減)、コア営業利益は2000億円(同2400億円、同16・7%減)、当期純利益は650億円(同1700億円、同61・8%減)と予想した。修正理由は機能商品におけるディスプレイ関連需要の減速に加え、MMAや石化を中心とした市況軟化が継続していること。また、三菱ケミカルUKのキャッセル工場でのMMA生産終了決定による損失や、ヘルスケアでのメディカゴ社の清算決定に伴う損失を計上したことなども要因としている。
 ディスプレイ並びに半導体需要の見通しについては、「ディスプレイは最終市場のスマホやテレビは7月以降の回復を見込む。半導体は3Qまでは大きな影響がなかったが、今後はメモリー関連が弱含みで推移する可能性もある」(同社)と指摘した。

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