日本インシュレーション(株)に聞く 免震装置の「耐火被覆」取組み

2011年07月04日

ゴムタイムス社

耐火パネル「めんしんたすけ-S」

免震建物が火災や延焼に見舞われた際、「免震装置の耐火性」はどうなっているのか―。 日本免震構造協会でも検討を重ねているこの問題について、耐火被覆材を製造販売している日本インシュレーショ ンに取組みを聞いた。 ―得意技術と製品は 「当社は耐火建材とプラント向け保温材が主力商品です。免震装置耐火被覆システム「めんしんたすけ」 シリーズは、耐火被覆材の応用商品として開発しました。耐火関係では最近では、3時間の火災にも耐 える中空間仕切壁「タイカジマンW180」(通常品は1時間)を発売、さらに角型鋼管柱耐火3時間 耐火構造認定を超薄型耐火被覆材「ニュータイカライト」で取得(従来比40%の被覆厚低減、コスト最 大30%低減)するなど、商品バリエーションの充実を図っています」 ―新製品と対象分野は 「すべり支承免震装置用耐火被覆システムの開発成果として、新しい免震装置用耐火被覆「めんしんたすけ―S」の開発を終え、近く発売する。 同製品は、すべり支承免 震装置に適用できる耐火被覆システ ムとして開発。厳格な品質性能試験の結果、火災継続時に免震装置の積層ゴム温度が150℃以下とい う、所定性能を確保していることが実証された。 まだ「ルートA(建築主事による建築確認)」で使用できる耐火構造認定は、国交省がすべり支承免 震装置を被覆する耐火システムの試験方法を制定していないため取得していないが、個別の建築物ごと に評定を受ける「ルートC(耐火設計法による大臣認定を受ける方法)で適用可能です。 従来商品で は天然ゴム系積層ゴム免震装置用耐火被覆システムを2種類、高減衰ゴム系積層ゴム免震装置用耐火被 覆システムを1種類品揃えしている。従来商品3種は全てルートAで適用が可能。今回の新商品で計4 種類となりました」 ―10年度売上げと今期の計画は 「販売目標は未公表です。ちなみに06年以降、毎年2倍強の伸び率で施工数が増加中です。10年度はや や減ったが、11年度は再び増加する見込み。まず05年に天然積層ゴム免震装置用「めんしんたすけ‐N 」(耐火パネル可動式)を発売、08年に同装置用の「同N2」(耐火パネル固定式)を追加。バリエー ションの多さが設計自由度を高めると、好評です」 ―今回大震災の影響は 「中部地方が生産拠点なので通常通り生産・出荷している。仙台市と福島県双葉郡の各営業拠点は、仙 台が営業再開。現在は建物の耐火被覆工事やプラントの保温工事を通じ、復旧活動に尽力させていただ いている」 ―今後企業のBCPや災害リスクの再検討が進むが、拡販策は 「免震装置もつねに商品改良が進んでいる。随時、耐火構造認定の対象となる免震装置を追加投入するよう、きめ細かい対応を図り、顧客の利便性を確保していきたい」

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