帝人 熱可塑性CFRP製品のパイロットプラント新設

2011年12月05日

ゴムタイムス社

 帝人㈱(本社:大阪市中央区、大八木 成男社長)は、熱可塑性樹脂を使用した炭素繊維複合材料(CFRP)によるコンポジット製品の事業化を加速するため、世界初となる「炭素繊維からコンポジット製品の成形加工までを1分以内で連続一貫生産するパイロットプラント」を、松山事業所(愛媛県松山市)内に設置することを決定した。設備投資額は20数億円で、速やかに着工し、2012年年央に稼働開始予定。
 これにより、熱可塑性CFRPによるコンポジット製品の試作から性能評価までをより迅速に実施することが可能となり、さらに、形状が複雑な成形品や大型コンポジット製品の試作も容易になる。同社は世界に先駆けて、既に熱可塑性CFRPによるコンポジット製品を1分以内で成形する量産技術を確立している。また、コンポジット製品の量産成形技術に加え、独自のCFRP接合技術を用いることで、極限まで車体骨格を軽量化したオール熱可塑性CFRPのコンセプトカーを製作しており、これにより技術の実用性を訴求することでマーケット開拓を推進してきた。
 同社が開発した技術は、自動車業界が求める理想的なタクトタイムで、「炭素繊維からコンポジット製品の成形加工までを連続一貫生産できる」ことから、コンポジット製品の量産車への採用に向けて大きく貢献することができる。また、自動車用途に限らず、軽量化が求められる一般産業用途に向けても、幅広く展開していくことが期待される。さらには、熱可塑性樹脂を用いることから、リサイクル性に優れていることも特徴になっている。
 同社は、同プラントを活用することにより、今後急成長が予想される自動車用途および一般産業用途におけるマーケット開拓を強力に推進し、CFRP製コンポジット製品事業におけるリーディングカンパニーの地位を確立していくとしている。

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