金型の製作

2021年01月29日

ゴムタイムス社

*この記事はゴム・プラスチックの技術専門季刊誌「ポリマーTECH」に掲載されました。
*記事で使用している図・表はPDFで確認できます。

特集1 ゴム金型の最新動向と製造・技術の留意点

金型の製作

ヘイシンテクノベルク㈱ 澤田一彦

1.はじめに
 ゴム成形用金型は樹脂成形金型ほど精度を求められないことが多かったが、ゴム成形についても高品質、高生産性、自動化に対応するために、金型の高精度化が必須となってきている。近年では加工機の性能や加工技術の向上で、それらのことが比較的容易に実現するようになってきている。従来から行われている切削加工から近年注目を浴びている3Dプリンターなどの製作方法を紹介する。
2.金型はどのような工法・工程を経てつくられるか1)
 加工の原理別に金型工法の推移を振り返ると、素材のムダはあるものの、切削加工機などによる除去加工法の求めに応じ進化を遂げたことで、金型技術向上の原動力となり、これにより鋳造などの変形加工法は衰退した。
 金型は、精密機械にも相当する構成体であり高い精度を必要とするため、高精度を得にくい工法は自然淘汰されていった。最も合理的と考えられている付加加工法においては、積層加工が3Dプリンターの近年の進化・普及に伴い、次世代工法として金型加工分野への適用が広がりつつある。
 現在はCAD/CAM化が図られ、原型モデルをデジタルデータに置き換えたいわゆるモデルレスで、直彫り加工による金型工法が主流となった。二次元の方形・円形や三次元複雑形状の金型は、ほとんどがNC旋削やマシニングセンタ(自動運転のための各種機能を付帯したフライス盤)を用いた切削加工により、従前のような熟練したスキルを必要とせず、機械加工中心で製作されている。
3.金型加工方法はどのようなものがあるか2)
 部品加工の概念として除去加工、変形加工、付加加工に分類される(図1)。
 除去加工は材料の塊から工具を使って除去していくことで形をつくり、金型加工では一番多く用いられている。旋削加工やフライス加工、放電加工などがあり、高精度に加工することができる。また、工具が届く範囲で自由に加工することが可能

全文:約3845文字

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