化粧品容器と原料を共同開発 日立造船とポーラ化成工業

2020年03月25日

ゴムタイムス社

 日立造船は3月16日、同社とポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業が、「トチュウエラストマー」を使った化粧品の容器と原料の共同開発を3月より始めると発表した。植物由来の成分を適用することで、環境負荷の低い製品の実用化を目指す。

 トチュウエラストマーは、落葉樹のトチュウ(杜仲茶の木)から抽出・精製した100%植物由来のバイオポリマーで、柔軟性に優れ衝撃に強いほか、水をはじく性質を持つため、同社では新しい機能性材料としてさまざまな用途への展開を図っている。

 持続的な社会の実現と、国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、CO2排出や廃プラスチックの削減など環境課題の解決を図る取り組みが求められている。同社とポーラ化成工業は、化粧品分野においても環境にやさしい容器と原料の開発を進めるべく、植物由来のトチュウエラストマーの特長を生かして、「環境に優しい自然に還る容器としての活用」「高い肌実感機能をもつ化粧品原料としての活用」の2つの開発テーマに取り組む。

 なお、環境にやさしい植物由来成分を、化粧品容器と原料の両方へ活用する共同開発は国内で初めてとなる。

 植物由来の生分解性プラスチックは、衝撃に弱いことが課題だったが、植物由来の生分解性プラスチックであるポリ乳酸(PLA)にトチュウエラストマーを5%の割合で混ぜると、耐衝撃性が約2・4倍にまで高まる。また、トチュウエラストマーの遮水機能は高密度ポリエチレンに匹敵することもわかっている。これらの特長を容器に活用することで、強度に優れた生分解性容器の実現が期待できる。そのほか、トチュウエラストマーは柔軟性にも優れることから、従来の原料に比べ、美容効果としてしなやかでハリのある肌実感の付与が期待される。

 同社はこの共同開発を通じ、植物由来の素材の適用を拡大することで、顧客の求める化粧品機能を実現するとともに、環境負荷の低減に貢献し、持続可能な社会の実現を目指す。

粉粒状に精製されたトチュウエラストマー

粉粒状に精製されたトチュウエラストマー

トチュウ農園(イメージ)

トチュウ農園(イメージ)

トチュウの実

トチュウの実

トチュウ果皮に含まれる原料のバイオポリマー

トチュウ果皮に含まれる原料のバイオポリマー