TPE特集概要 高い成長見込み各社増産

2020年03月02日

ゴムタイムス社

 加工温度では軟化して流動性を示し、使用温度では加硫ゴムに近い特性に戻る熱可塑性エラストマー(TPE)は、軽量で成形加工性や生産性、リサイクル性に優れ、良好な触感に寄与することから、塩ビや加硫ゴムの代替材料や、樹脂の添加剤・改質剤として、年々需要が広がっている。
 TPEメーカー各社は、世界経済減速の影響を足元で受けながらも、中長期的にはTPEの需要は拡大基調と見て、生産体制の増強や製品ラインアップ拡充を進めている。

 生産体制の増強では、三菱ケミカルは、TPE製造設備をインドに新設し、2020年度中に稼働を開始する計画だ。クラレは、タイの「セプトン」生産設備の増強を進め2022年の商業生産開始を目指すとともに、液状ゴムについても新拠点設立を検討している。三井化学は、米国で建設中のTPVの新拠点が2020年度から商業運転を開始する予定であるほか、千葉県の三井化学サンアロイの拠点に製造ラインを増設することを決めた。また、ディーアイシーコベストロポリマーは、大阪府の堺プラントのTPUの製造能力を昨年30%増強した。

 製品ラインアップの拡充では、クレイトンポリマージャパンは、水添ポリマーの差別化グレード「高流動性SEBS」に注力し、超高流動を実現した「MD1648」の拡販を進める。三菱ケミカルは、米企業のTPU事業を買収し、製品ポートフォリオにTPUを加える。クラレは、液状ゴムの新グレードを開発し、独ハノーバーのタイヤ技術の展示会で先に発表した。また、三井化学は、耐油ブーツ向けの新架橋TPV、エアバッグカバー向けのTPO、自動車内装用の射出表皮向けTPSという3つの新製品の販売を伸ばしている。

 TPEの用途では、自動車のインテリアの高級化志向やNVH抑制のニーズが高まっていることを追い風に自動車関連で需要が広がるほか、景気の波を受けにくい医療・衛生用品の用途で需要が安定している。

 このほか、SDGsへの貢献が求められる中で環境負荷低減が大きな開発テーマとなっており、昨秋の独K展では、コベストロがオールTPUのコンセプトシューズを、クラレが植物由来のβ―ファルネセンを用いた「セプトン」BIO―シリーズを出展し、

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