高耐久の伸縮配線を新開発 朝日ラバー 切り紙から着想

2020年01月17日

ゴムタイムス社

 朝日ラバーは1月9日、切り紙構造とゴムを複合することにより低応力で伸長し、耐久性と抵抗値特性に優れた新しい伸縮配線を開発したと発表した。ゴムの復元力と立体的な構造により、さまざまな配線として活用が可能で、早稲田大学との共同研究にも活用されている。

 この伸縮配線の主な特徴は、①独自の立体構造による低応力での伸縮を実現、②伸び率に対する抵抗値変化の少ない配線、③高い汎用性の3点となる。

 独自の立体構造については、日本の伝統工芸である切り紙に着想を得て、立体的に構造変化するよう加工された導電フィルムの周囲を独自のシリコーンゴムで封止することで低応力での伸長と高い絶縁性を可能にし、ゴムの復元力で収縮することで高い耐久性を兼ね備えた配線を実現した。

 伸び率に対する抵抗値変化については、独自の複合化技術により、100%の伸縮試験でも70万回の伸縮でほとんど抵抗値が変わらず、電気特性の安定した接続が可能となっている。

 汎用性については、市販のFPC(フレキシブルプリント配線板)コネクタに接続が可能で、さらに配線パターンを変更することにより伸長率や配線の長さ、チャンネル数をコントロールすることができる。

 今後、新しい伸縮配線は、生体センシングの分野での活用が見込まれる。一例として、早稲田大学と北里大学との共同研究で発表された新しいウェアラブル筋電計測デバイスの一部に用いられた。さまざまなスポーツにおける計測に活用されるほか、ウェアラブルデバイスやロボット、介護などの配線として幅広い分野での活用が見込まれている。

 早稲田大学と同社100%子会社の株式会社朝日FR研究所は、生体分析機器およびその周辺部材の研究に関する共同研究開発契約を締結し、現在も共同研究を進めている。

 

構造のイメージ

構造のイメージ

構造のイメージ

構造のイメージ

接続のイメージ

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