高い技術力で選手を支援 横浜ゴムのモーターS計画

2019年04月05日

ゴムタイムス社

 横浜ゴムは4月3日、2019年のモータースポーツ活動計画を発表した。

 同社は昨年からスタートした3ヵ年の中期経営計画「グランドデザイン2020(GD2020)」の技術戦略において、モータースポーツ活動を重要な先行技術開発の場と位置付け、トップカテゴリーからグラスルーツカテゴリーまで国内外の多岐にわたるレースに参戦している。本年もモータースポーツ活動に積極的に取り組み、最高レベルの技術を追求するとともにマーケットの振興に貢献していく。

FIAワールドツーリングカーカップ(WTCR)

 「WTCR」は、2018年よりスタートしたTCR規定で行われるツーリングカーのレース。同社は2006年から12年連続で「FIA 世界ツーリングカー選手権(WTCC)」をサポートしてきた実績が認められ、2018年、2019年のワンメイクサプライヤーに指定された。

 供給タイヤはドライ用の「ADVAN A005」とウェット用の「ADVAN A006」で、タイヤサイズは250/660R18。今年は、モロッコ戦を皮切りに世界を転戦し、全10大会が予定されている。

全日本スーパーフォーミュラ選手権(2018年)

全日本エフ3選手権(2018年)

フォーミュラレース

〈全日本スーパーフォーミュラ選手権〉
 2016年からワンメイク供給を開始した全日本スーパーフォーミュラ選手権では新型車両SF19が導入される2019年もADVANレーシングタイヤの継続供給が決定した。2018年に引き続きミディアムコンパウンドと、ソフトコンパウンドの2スペックタイヤを供給する。供給タイヤはドライ用の「ADVAN A005」とウェット用の「ADVAN A006」。タイヤサイズはフロント用が270/620R13、リア用が360/620R13。

〈全日本F3選手権〉
 2011年からワンメイク供給を開始した全日本F3選手権に2019年も引き続きADVANレーシングタイヤを継続供給し、日本で開催されているレースカテゴリーの中で最も長い歴史を有するこのカテゴリーの足元を支える。供給するタイヤはドライ用の「ADVAN A005」とウェット用の「ADVAN A006」。タイヤサイズはフロント用が200/50VR13、リア用が240/45VR13。

〈スーパーFJ〉

 JAFの地方選手権として、東北から九州までの主要サーキット毎に7つの地方選手権シリーズが設定され、激戦を繰り広げるスーパーFJ。2010年から10年目となる2019年も引き続きADVANレーシングタイヤを継続供給する。

スーパーGT

 スーパーGTはメーカーのワークス勢が主力となるGT500と個性的なチームが競い合うGT300のふたつのクラスで競われる。GT500は、ドイツツーリングカー選手権(DTM)との車両規則共通化が進められ、2017年から各チームともにダウンフォースの低減などを図った新規定に適合した車両を投入している。一方、GT300は自動車メーカーが製造販売する国際規格のFIA GT3マシンと日本独自のJAFーGT車両ならびにマザーシャシーが混在し、国内外のバラエティ豊かな車種が競い合う。

 GT500では、2018年に引き続きコンドー・レーシングの「リアライズコーポレーション ADVAN GTーR」、レクサス・チーム・ウェッズスポーツ・バンドーの「ウェッズスポーツ・アドバンLC500」、チーム・ムゲンの「モータル・ムゲンNSXーGT」の3チームをサポートする。GT300においても、ヨコハマタイヤユーザーを支えていく。2019年もタイ戦を含む全8大会が組まれており各大会で多くの観客動員が見込まれている。

コンドー・レーシングの「リアライズコーポレーションADVAN GT-R」(SUPER GT/GT500の2019年参戦車両)

レクサス・チーム・ウェッズスポーツ・バンドーの「ウェッズスポーツ・アドバンLC500」(SUPER GT/GT500の2019年参戦車両)

チーム・ムゲンの「モータル・ムゲンNSXーGT」(SUPER GT/GT500の2019年参戦車両)

〈TCRジャパンシリーズ〉
 2019年から初開催される同レースにADVANレーシングタイヤをワンメイク供給する。横浜ゴムは同じくTCR規定で競われる「WTCR」のオフィシャルタイヤサプライヤーを務めていることが高く評価された。供給タイヤはドライ用の「ADVAN A005」とウェット用の「ADVAN A006」で、タイヤサイズは250/660R18。

〈その他TCR規定の地域選手権・各国選手権〉
 「WTCR」「TCRジャパンシリーズ」に加え、地域選手権の「TCR Europe」や各国選手権の「TCR UK」「TCR Iberico」「TCR Benelux」を2018年に引き続きサポートする。また、2019年より新たに「TCR Germany」「TCR Scandinavia」のサポートが決定している。

ツーリングカーレース他

 欧州ではVLN耐久選手権(ニュルブルックリンク24時間レースも含む)、北米ではポルシェGT3カップチャレンジUSA、ポルシェウルトラ94 GT3カップチャレンジCANADA、日本で行われるインタープロトシリーズなど世界各地のレースや参加車両にアドバンレーシングタイヤを供給する。

ラリー

〈全日本ラリー選手権〉
 2019年は全10戦で競われる全日本ラリー選手権。ターマック(舗装路)では「ADVAN A052」および「ADVAN A08B」、グラベル(非舗装路)では「ADVAN A053」を中心としたラインアップでユーザーの走りを支える。

 2018年はJN6で新井敏弘選手/田中直哉選手がシリーズチャンピオン、奴田原文雄選手/佐藤忠宜選手がシリーズランキング3位を獲得。さらに、JN5、JN4、JN1で2位、JN2で3位を獲得するなど多くのヨコハマタイヤユーザーが優秀な戦績を残している。2019年はより多くのクラスでチャンピオン獲得を狙う。奴田原文雄選手/佐藤忠宜選手は今年も「ADVAN」カラーマシンで参戦する。

新井敏弘選手/田中直哉選手の「富士スバル AMS WRX STI」(2018年)

奴田原文雄選手/佐藤忠宜選手の「ADVAN-PIAA LANCER」(2018年)

スピード競技

〈全日本ジムカーナ選手権〉
 2018年はPN1とSA1の2クラスでチャンピオンを獲得した全日本ジムカーナ選手権。今シーズンも「ADVAN A050」「ADVAN A052」「ADVAN A08B」の高性能を武器に、多くのクラスでチャンピオン獲得を目指す。昨年PN1クラスで優勝した斉藤邦夫選手は今年も「ADVAN」カラーマシンで参戦する。

PN1クラスシリーズチャンピオンの「ADVAN 40th ロードスター」(2018年)

〈全日本ダートトライアル選手権〉
 「ADVAN A053」をはじめ、軟質路面用「ADVAN A031」や超硬質路面用「ADVAN A036」など幅広い路面に対応したタイヤラインアップを武器に、2018年はSC1、SC2、D部門の計3クラスでシリーズチャンピオンを獲得。トップクラスのD部門を制した谷田川敏幸選手は「ADVAN」とともに2013年から同クラス6連覇の偉業を達成した。

D部門シリーズチャンピオンの「ADVAN トラスト クスコ WRX」(2018年)

〈ヨコハマ・モータースポーツ・スカラシップ〉
 横浜ゴムはモータースポーツ振興促進活動の一環として競技参加者を支援する「ヨコハマ・モータースポーツ・スカラシップ2019」を実施している。受付期間は2019年4月30日(当日消印有効)まで。同制度は登録したヨコハマタイヤユーザーを支援する制度で、競技の成績に応じてポイントを付与し、獲得ポイントによってヨコハマタイヤを支給する。対象競技などスカラシップの詳しい内容は専用サイトに掲載している。

その他のレース

〈オフロードレース〉
 SUV、ピックアップトラック向けタイヤブランド「ジオランダー」を擁し、北米地域でのデザートレースやアジアで行われるアジアクロスカントリーラリーなど海外で開催されるオフロードレースに参戦する。

〈カートレース〉
 国内カートレースの頂点に位置する全日本カート選手権の最高峰クラスであるOK部門に参戦する。2018年は同部門でヨコハマタイヤ初となるシリーズチャンピオンを獲得した。今年は4台のヨコハマタイヤユーザーのチームやドライバーとともに勝利を目指す。また、ジュニアカート選手権では2018年に引き続き、FPージュニアカデッツ部門をサポート。昨年発売したカデッツ部門向けドライタイヤ「ADVAN SLJ(名称:ADJ)」をワンメイク供給する。海外でもアジア・カーティング・オープン選手権へのワンメイク供給を継続。また、フィリピンなどのサーキットレースに向けて幅広くタイヤ供給を行っていく。

全日本カート選手権OK部門のシリーズチャンピオン獲得車両(2018年)

同社は、今年も世界各国でのヨコハマタイヤ装着チームの活躍を支えていくとともに、モータースポーツ活動で得たデータを市販タイヤ開発に活かしていく。なお、イベントレポートやリザルトは、横浜ゴムのモータースポーツサイトやモータースポーツ専用の公式FacebookページやツイッターなどのSNSでも情報を発信していく。

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