中国塗料と三井化学は7月7日、高付加価値塗料による船舶の環境対応強化の取組みとして、警固屋船渠にて建造される液化アンモニア運搬船のバラストタンクに、中国塗料開発の重防食塗料『CMPノバ2000(Bio)』が採用されたと発表した。
同塗料にはISCC PLUS認証を取得したマスバランス方式によるCO2排出量を削減した三井化学のバイオエポキシ樹脂を使用している。
なお、マスバランス方式によるバイオエポキシ樹脂塗料が船舶向けに採用されるのは世界初(中国塗料調べ)となる。
さらに同船の船底部には、中国塗料の低燃費型防汚塗料『シープレミア2000PLUS』が採用されており、運航時におけるCO2排出量削減も期待される。
これらの高付加価値塗料を採用することで、塗料製造時および同船就航後においてCO2排出量の大幅な削減が期待される。同船の竣工は2026年5月の予定となる。
バイオエポキシ樹脂塗料『CMPノバ2000(Bio)』は、三井化学が展開するマスバランス方式によるバイオマス由来のエポキシ樹脂等を原料としたISCC PLUS認証を取得したバラストタンク用バイオエポキシ樹脂塗料。品質、塗膜性能は石油由来品と同等であり、機能を維持しながらバイオマス由来であることで、既存の『CMPノバ2000』と比較して塗料1tあたり約660kg相当(暫定値)のCO2排出削減効果が見込まれる。
同船は次世代低炭素エネルギー(次世代燃料)として注目されるアンモニアの運搬船として、環境性能が高いアイテムを積極的に採用している。低燃費型防汚塗料『シープレミア2000PLUS』を採用することで、一般の船底防汚塗料を使用した場合と比較し5~8%の燃費向上、および船舶運航時のCO2排出量の削減が期待できる。
2025年07月09日