横浜ゴムの1~9月期 市況悪化と円高で減収減益に

2016年11月14日

ゴムタイムス社

 横浜ゴムの2016年12月期第3四半期連結決算は、売上高が4102億1800万円で前年同期比7・5%減、営業利益は188億9000万円で同38・0%減、経常利益は142億7400万円で同44・7%減、四半期純利益は84億9700万円で同53・5%減となった。

 需要低迷や価格下落など市場環境の悪化に加え、円高による為替変動が収益に影響した。なお、この四半期から7月に買収を完了したアライアンス・タイヤ・グループ(ATG)の業績を含めており、新たな報告セグメントとして「ATG」を新設した。

 タイヤ事業は売上高が3104億7200万円で同11・0%減、営業利益は165億7900万円で同25・8%減となった。

 国内新車用は年初からの自動車生産台数の減少や価格下落の影響が大きく、売上高は前年同期を下回ったが、原材料価格の下落などにより増益となった。

 国内市販用は需要低迷を主因に、販売量・売上高は前年同期を下回ったが、新商品を相次いで投入するなど、高付加価値商品を中心に販売を強化した結果、商品MIXの改善により増益となった。

 海外は円高や価格競争の影響が大きく減収減益となったが、海外全体での販売量は増加した。

 北米は全体的に堅調で、欧州は新規販路が販売に寄与するなど好調に推移したほか、中国は小型車向けの減税で自動車販売が回復し新車用タイヤが好調だった。

 ホース配管・シーリング材・コンベヤベルト・ゴム支承・マリンホース・防舷材・航空部品などのMB事業は、売上高が809億1200万円で同9・8%減、営業利益は46億8600万円で同38・5%減となった。

 ホース配管は自動車用ホースの需要が低迷するなど市場環境が厳しく、売上高は前年同期を下回った。工業資材は円高に加え、国内粗鋼生産の低迷などで売上高は前年同期を下回った。

 ハマタイト・電材は建築用シーリング材が国内のビル着工数の伸び悩みを受けて低迷し、売上高は前年同期を下回ったものの、自動車用接着剤は海外向けが順調に推移し増益となった。

 航空部品は官需向けが好調となったが、民間航空機向けは円高の影響もあり低調で、売上高は前年同期を下回った。

 ATGの7~9月の売上高は129億4500万円、営業損益については、株式取得関連費用の計上やのれんなどの償却により28億3500万円の損失となった。

 穀物価格の下落などによる農機市場の需要低迷と価格競争が激化する中、積極的な販売活動により販売量・売上高は想定通りに推移した。

 通期の業績予想については、第2四半期に下方修正した予想を据え置いた。売上高は6000億円で前期比4・7%減、営業利益は380億円で同30・3%減、経常利益は310億円で同37・2%減、当期純利益は200億円で同44・9%減を見込んでいる。

 なお、ATGは通期業績予想に対して売上高で270億円、営業利益でマイナス45億円(利益47億円、買収関連費用マイナス92億円)を織り込んでいる。

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