クラレ イソプレン事業を強化

2015年01月13日

ゴムタイムス社

 海外能力増に積極投資

 クラレは本年1月1日付で社長に就任した伊藤正明社長の新体制のもとでの新中期経営計画「GS-STEP」(2015~17年度)を昨年末に発表した。

 新中計ではビニルアセテート事業でM&Aなどの投資効果を結実させるほか、イソプレン事業では次なる成長に向けた布石を打つことでコア事業の深耕を図る。17年度に売上高6500億円(14年4月?15年3月見通し5150億円)、営業利益900億円(同540億円)、営業利益率13・8%、純利益570億円(同310億円)を計画。セグメント別の営業利益率はビニルアセテレート事業が23%、イソプレン事業が14%、機能材料が10%、繊維7%、トレーディング4%を目指している。これら収益力を強化するため高付加価値品の増産を計画、新中計では海外投資を中心に17年度までの3年間で2千億円(うち6割が新・増設投資)を実施する。

 ビニルアセテート事業では北米での酢酸ビニル能力増強、西条事業所での光学用ポバールフィルム、3極でのPVBフィルム増設、水溶性ポバールフィルム増設、北米・欧州での「エバール」能力増強に充当する。イソプレン事業ではイソプレンケミカルの事業拡大に向けた新プラント建設、熱可塑性エラストマー「セプトン」の北米での増設、LIR(液状イソプレンゴム)のタイヤ用途でのグローバル展開、ファルネセン系液状ゴム(LFR)の採用拡大に注力する。また、機能材料事業では新潟事業所でのメタクリル独自樹脂を増強、新規事業ではLCPフィルムのデファクトスタンダード化を目指して新プラント設置による能力増強、LiB負極材「バイオカーボトロン」の採用増に対応する増設を行う。

 「年平均700億円の水準を計画している。積極的な海外投資と共に北米市場での販売にも力を入れ、売上高に占める海外比率を現在の55%から17年度に68%までに高める」(伊藤正明社長)

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