東海カーボンの1~9月期 営業利益が8割増加

2014年11月07日

ゴムタイムス社

 東海カーボンの2014年12月期第3四半期の売上高は847億1300万円で前年同期比12・9%増、営業利益は24億5700万円で同82・7%増、経常利益は26億5600万円で同5・0%増となり、四半期純利益は16億2700万円で同24・0%増となった。
 損益面においては、カーボンブラック事業の国内外市場への安価な中国製品の流入や黒鉛電極の価格低迷等の影響を受けたが、連結子会社となったカンカーブ社の業績寄与や、コスト低減を引き続き推し進めたこと等により増益となった。

 カーボンブラック事業部門では、国内においては、対面業界である自動車およびタイヤ産業で消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動が夏ごろから出始めたものの、カーボンブラック需要は概ね堅調に推移。日本およびタイ市場への安価な中国製品の流入は依然として続いたが、北米を中心とした緩やかな景気回復を受け、販売数量は前年同期比増となった。以上により、同事業部門の売上高は同22・0%増の403億2800万円となり、営業利益は4月に買収したカンカーブ社の業績寄与もあり同50・8%増の22億5700万円となった。

 炭素・セラミックス事業部門の黒鉛電極では、世界粗鋼生産は前年同期を上回る水準で推移し、対面業界である電炉鋼の生産においても同様に推移した。黒鉛電極の需要は、北米、欧州、日本においては前年同期を上回る水準で推移し。しかしアジアにおいては、鉄鋼需要の落ち込みや、供給過剰が続く中国からの鋼材流入の影響等を受け黒鉛電極需要が低迷したことから、販売数量は前年同期並みとなった。販売価格については、国内外とも弱含みで推移した。結果、円安効果は受けたものの、黒鉛電極の売上高は同0・6%減の224億5300万円となった。ファインカーボンは、全般的に市況の回復や顧客の在庫調整が終ったこと等により、需要は引き続き回復基調で推移した。地域別では、米国は、半導体用やポリシリコン向けの需要増に加え、一般産業用も堅調に推移し、一般産業用が主力の欧州も堅調さを維持。アジアでは、韓国は半導体用やLED用が概ね好調であり、中国は需要回復が見られる太陽電池用をはじめ、一般産業用やLED用も堅調に推移した。この結果、円安効果も受け、ファインカーボンの売上高は同15・0%増の106億1500万円となった。以上により、同事業部門の売上高は、ファインカーボンの増収により同3・9%増の330億6900万円となったが、営業利益は、コスト低減やエネルギー原単位改善努力を推進し、円安効果も受けたものの、黒鉛電極の価格低迷等の影響により、同14・9%減の5億1300万円となった。

 工業炉および関連製品事業部門では、主要な需要先である情報技術関連業界では、一部に回復の兆しが見られ主力製品である工業炉の売上高は前年同期比増となった。また、発熱体その他製品の売上高も、中国市場の需要が回復したことや、国内においても、ガラス関連業界の需要は低調であったものの電子部品業界の需要が堅調に推移したことから前年同期比増となった。以上により、同事業部門の売上高は同11・7%増の33億7900万円となり、営業利益は同120・1%増の4億6600万円となった。

 その他事業部門の摩擦材では、一昨年以来低迷が続いていた建設機械向けの需要は、前四半期に底打ちは見えたものの力強い回復基調には至らず、前年同期並みに留まった。一方、農業機械向けの需要は好調な北米市場に支えられ、前年同期を大きく上回る水準で推移。この結果、摩擦材の売上高は同6・3%増の63億7800万円となった。その他では、不動産賃貸等その他の売上高は、リチウムイオン二次電池用負極材の販売が増加したことにより、同39・5%増の15億5800万円となった。以上により、同事業部門の売上高は同11・5%増の79億3600万円となり、営業利益は2億3600万円(前年同期は1億1800万円の営業損失)となった。

 通期の連結業績予想は、売上高が1130億円で前期比12・0%増、営業利益が30億円で同81・2%増、経常利益が30億円で同3・7%減、純利益が18億円で同48・4%増を見込んでいる。

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