三菱レイヨン 米国で炭素繊維生産能力を倍増へ

2014年07月02日

ゴムタイムス社

 三菱レイヨンは6月30日、米国の100%子会社である三菱レイヨンカーボンファイバーアンドコンポジット(以下MRCFAC社)において炭素繊維生産設備を増強することを決定したと発表した。

 年間生産能力2000トンの生産設備を既存のサクラメント工場内に増設し、2016年中頃に稼働開始する予定。新設備稼働後の同工場年間生産能力は倍増の4000トンとなる。

 世界の炭素繊維需要は、風力発電をはじめとする再生可能エネルギー用途、燃費向上や電気自動車の航続距離延長のための車体軽量化用途等の産業用途を中心に拡大しており、年率20%以上の伸びを示している。近年、米国のシェールガス開発による天然ガス価格の低下や、各国の自動車排出ガス規制強化の動きから大型トラックを中心に圧縮天然ガス(CNG)への燃料転換が進んでおり、車両に装備する燃料タンク圧力容器用途の需要が急速に伸長。また、シェールガス開発を一因とする世界的な天然ガス製造・消費の拡大を背景に、大規模輸送用の大型圧力容器の需要も増加している。加えて、「究極のエコカー」として商業生産化の緒に就いた燃料電池車(FCV)の高圧水素ガス燃料タンクや水素ステーションの貯蔵タンクにも炭素繊維が使用される見込みであり、クリーンエネルギーの製造・使用に直結する材料として、2020年に向けて更なる需要成長が期待されている。

 同社は、MRCFAC社を高性能レギュラートウ炭素繊維の供給拠点として位置付けて、北米を中心とする需要増大に対応する体制を強化し、炭素繊維・複合材料事業のバリューチェーンをグローバルに展開していくとしている。

 MRCFAC社の事業内容は炭素繊維、炭素繊維・複合材料およびその関連製品の製造、販売。
所在地は米国カリフォルニア州アーバイン市。設立は2013年4月。資本構成は三菱レイヨン100%。代表者は佐々木晋氏。

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