やさしいタイヤ材料のはなし その⑪

2014年06月21日

ゴムタイムス社

ゴム用原材料①-1

 合びき肉(牛7:豚3)100gに、玉ねぎ100g、パン粉12.5g、塩1g、卵1/4個、コショウ適量。もうお分かりになったかも知れませんが、これはハンバーグ1人前のレシピです。
 実は、タイヤ用ゴム材料のレシピ(配合表)も同じように、ゴム100gに対してカーボンブラック50g、酸化亜鉛6g、硫黄3gといったように、ゴム100gあたり各原材料を何グラム配合するかで表します。しかも、合いびき肉と同様、例えばNRとSBRのように、種類の異なるゴムのブレンドもあります。
 タイヤ用ゴム部材のレシピは、部材によって種類や配合量は異なりますが、基本的には、ゴムのほかカーボンブラックあるいはシリカなどの補強材、酸化亜鉛、硫黄、加硫促進剤、ステアリン酸などゴムの加硫に必要なゴム用薬品、及びタイヤの長期耐久性に欠くことのできない老化防止剤など共通の原材料でできています。

 今回は、今まで断片的にご説明してきたゴム用原材料にスポットを当ててお話しします。
 まず、タイヤに使用されるゴムには天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)及び天然ゴムを人工的に合成したイソプレンゴム(IR)などがあります。
 NRはヘベアブラジリエンシス樹(ゴムの木)から得られる樹液を硬化させて作ります。NRは炭素が5個、水素が8個からなるイソプレンモノマーが数千から数万も鎖のように連結した構造を持つポリマーです。イソプレンモノマーを連結するときに、どの部位が隣のモノマーと結合するかによって四つの異なる結合様式を持つ可能性がありますが、NRはすべてシス-1,4構造の繰り返しでできています。
 このため、NRを数倍に伸長すると、

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