住友ゴム工業 年頭所感 池田育嗣社長

2014年01月08日

ゴムタイムス社

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 昨年を振り返りますと、海外では、北米での景気回復に加え、欧州でも景気の底入れが見え始める中、中国や新興国でも緩やかながら拡大傾向は継続しており、世界経済全体としては底堅く推移しました。国内では、安定した政権の下で輸出や個人消費が持ち直しており、企業収益の改善や設備投資の増加など、景気回復に向けた動きも確かなものとなってきました。こうした状況の中で、当社では国内外での拡販や新商品の発売、そして継続的な経費削減やコストダウンなど、収益性の強化にグループ一丸となって取り組んだ結果、2013年も増収増益を継続し、過去最高益の更新が見通せる状況となりました。
 さて、海外、国内とも、当社を取り巻く環境変化のスピードや不確実性が増々高まりを見せる中、『VISION 2020』の2年目となる2014年は、「高収益・高成長の真のグローバルプレイヤー」の実現に向けた、まさに「正念場の年」になると考えています。このような状況の下、本年の社長方針として、次の三点を定めます。
 第一の方針は「基本に立ち返り、成長の基盤を固めよう」です。
 モノづくりの会社である当社にとって、「安全」と「品質」の確保は基本中の基本です。「安全」に対する気の緩みは人命にかかわりますし、「品質」に対する気の緩みは会社の信頼を損ないます。それぞれの影響の大きさを社員一人ひとりが常に意識し、過去の経験を活かし、PDCAを何度も回して確実な対策を取ること、また同時にベンチマークをしっかり行い、高い目標に向かって創意工夫することが重要と考えております。今後グローバルに事業範囲が拡大する中で、一人ひとりが住友ゴムWAYで掲げる価値観である「信用と確実」の精神に理解を深め、あらゆる業務の基本に立ち返り、成長に向けしっかりとした基礎を固めてまいります。
 第二の方針は「縦と横のつながりを一層強固にし、組織力の最大化を図ろう」です。
 「組織力を発揮」し「最大化」するために、まず必要なことは、社員一人ひとりが組織の目指すべき方向性や目標を理解することです。その上で、組織の目標達成に向けて、縦と横のコミュニケーションを、より活性化させ、お互いの強みを活用し、弱みを補うことです。関係部門とのコミュニケーションをこれまでより活性化させ、個人や一部門の能力以上に当社組織全体の最大化を目指してまいります。
 次に必要なことは「知識・技能・ノウハウの伝承」です。常時、人が入れ替わる組織が、その力を最大化しながら発展・成長し続けるためには、組織の業務品質を維持・継続し、向上していくことが求められ、その前提は「知識・技能・ノウハウの伝承」にあります。この重要性を理解し、自部門に根付かせる努力や工夫を実践することで、縦と横のつながりを一層強固にし、組織力の最大化を目指してまいります。
 第三の方針は「事実と客観的評価に基づき、スピード感を持って挑戦しよう」です。
 環境変化の激しい時代にお客様に喜んで頂くためには、社会や同業他社の動きを敏感に受け止め、時代を先取りする商品の提供が必要であり、そのために必要な事が2つあります。
 まず一つ目は「いつもベンチマークを意識する」ということです。「ベンチマーク」は、ただ数値の結果比較を行うだけでなく、最終形、すなわち、その結果に至るまでの過程や背景まで突き詰めて比較・分析することにより、より付加価値の高いアウトプットに結びつけることが出来ると考えております。
 二つ目は「スピード感」です。この「スピード感」を出すために必要なことが「ムダの排除」です。社員一人ひとりが今のやり方にムダやムリがないか、非効率・非合理的なやり方をしていないか、といった視点で日常の業務を見直し、改善を図っていく必要があると考えております。
 この「ベンチマーク」と「スピード感」の二つが結果的に「良いものを早く形にする」という、「前倒し」につながります。
 当社では「Go for NEXT」をスローガンに、社会からの期待に応える真に価値ある企業グループを目指して遭進し、「VISION2020」の目標達成に向け、今後もグループ一丸で取り組んでまいります。
 関係各位におかれましては、なお一層のご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

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