DUNLOPグループは10月8日、持続可能な天然ゴム調達に関する施策を、初めて体系的に整理したと発表した。先に発表した、グループ横断の「持続可能な天然ゴム(SNR)部会」を核に、これらの施策を推進し、取り組みを加速する。
その一環として、インドネシアにおいて2026年4月から小規模天然ゴム農家支援プロジェクトの第2フェーズを実施している。同プロジェクトは、同社グループの天然ゴム調達会社であるSUMITOMO RUBBER SINGAPOREが、天然ゴムの生産・流通を手掛けるHalcyon Agri Corporationの天然ゴム加工会社Hok Tongと共同で2022年から進めているものとなる。
第1フェーズでは生産性や農家収益の改善効果が確認できた。今回、第2フェーズでは、スマトラ島のJambi地域での継続支援に加えて、新たに北スマトラのRantau Prapat地域へ支援を拡大する。両地域で年間約1740軒の農家を支援することを目指しており、2029年4月まで支援目標を段階的に拡大していく予定となる。
天然ゴムは、同社グループにとって重要な原材料の一つとなる。その生産は多くの小規模農家に支えられており、農家の生産性や収益、環境・社会面の課題は、天然ゴムの持続可能かつ安定的な調達にも関わっている。
同社グループは、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づき、「LEAPアプローチ」に沿って自然との接点や依存・影響、リスク・機会を評価し、情報開示を進めてきた。
新設したSNR部会では、把握したリスク・機会を事業活動につなげるため、天然ゴムに関連するリスクへの対応策を、Science Based Targets Network(SBTN)が提示する「AR3Tフレームワーク」の考え方に沿って体系的に整理した。
AR3Tフレームワークは、自然への影響に対して企業が取る行動を「回避」「低減」「復元・再生」「変革」の観点で整理する行動フレームワークとなる。
この整理により、リスク評価、農家支援、研究開発など、これまで個別に進めてきた施策の位置づけや今後取り組むべき対応を明確にし、持続可能な天然ゴム調達に向けた取り組みを加速する。
インドネシアは世界有数の天然ゴム生産国で、スマトラ島はその主要産地の一つとなる。2022~2025年に実施した第1フェーズでは、スマトラ島のJambi地域で1000軒を超える小規模農家を支援した。対象地域では、天然ゴムの収量が最大で約19%増加するなど、生産性・収益性の両面で改善効果を確認した。
農家支援プロジェクトは、AR3Tの「低減」に位置づけられる取り組みとなる。第2フェーズでは、第1フェーズで得た知見を生かし、サプライチェーン上で同様のリスクを抱える北スマトラのRantau Prapat地域にも支援を展開する。農家の生産性・収益性の向上を図り、天然ゴムのサプライチェーンにおけるリスク低減につなげる。
また、Jambi地域では、第1フェーズに参加した農家への再指導を実施する。技術指導や農業資材の支援を継続することで、技術の定着とさらなる収量向上を目指す。
同社グループは、マテリアリティ(重要課題)の一つに「生物多様性」を特定しており、「天然ゴムなど自然資源への依存と影響を自覚し、周辺の生態系と共存する企業」を目指している。
今後も、「持続可能な天然ゴム方針」に基づき、グループ横断の「SNR部会」を核として、サプライヤーや生産者をはじめとするステークホルダーとの対話・協働を通じた取り組みを推進する。天然ゴムの持続可能かつ安定的な調達とサプライチェーンの強靭化を図るとともに、生産地域の環境保全や生産者の生活水準向上などの社会課題の解決に貢献していく。
2026年10月13日

