東洋紡エムシーは9月3日、高機能ポリアミド樹脂「グラマイド」において、フッ素樹脂を使用せずに、従来品と同等の優れた摺動性を実現した新グレードを開発したことを発表した。開発品は、自動車のエンジン・駆動系部品のほか、ロボットやコンベアなどの産業機器部品への展開を想定し、2026年度中の上市を目指す。
「グラマイド」は、同社独自の配合・混練技術により、高耐熱性、高剛性、良外観、摺動性などの機能を付与したポリアミド樹脂である。これまで、自動車部品や産業機械部品を中心に幅広く採用されている。
従来、ベアリングやギアといった高い摺動性が求められる部品には、低摩擦性や耐摩耗性を確保するため、フッ素樹脂を用いた材料が採用されてきた。
しかし、近年はPFAS(有機フッ素化合物)の規制強化を背景に、規制動向を見据えた材料選定の検討が進んでいる。こうした市場環境を受け、同社は独自の配合・混練技術を駆使し、フッ素樹脂を使用せずに優れた摺動性を有する新グレードを開発した。
開発品は、PA66をベース樹脂とし、フッ素樹脂の代替として、摺動性を付与する複数の添加剤を配合している。同社独自の混練技術により、これらの添加剤を均一分散させることで安定した材料特性を発現するとともに、ベース樹脂との化学結合などにより添加剤の脱落抑制を可能にした。フッ素樹脂を用いた従来品と比較しても、摺動性、耐熱老化性、耐エンジンオイル性、機械物性、耐久性において優れた性能を示す。
開発品と従来品の樹脂試験片に対して、金属ディスクを一定荷重で押し付けながら回転させた際の動摩擦係数と摩耗量を評価した。その結果、開発品は従来のPA66製品と比べて、低摩擦特性を示したうえ、摩耗量は大幅に低減した。
自動車のエンジン・駆動部品のほか、ロボットやコンベアなどの産業機器部品など、摺動性が求められる多様な用途への展開を想定していく。
同社は今後も、高機能素材のラインアップの拡充を通じて、さまざまな課題解決に貢献していくとしている。

