島津製作所が東大発のスタートアップへ出資 量子技術分野へ初の出資

2026年08月27日

ゴムタイムス社

 島津製作所は8月25日、コーポレートベンチャーキャピタルファンド「Shimadzu Future Innovation Fund」を通じて、OptQCに出資したことを発表した。OptQCは「光量子コンピュータ」を開発する東京大学発のスタートアップ企業である。同社は長年、分光光度計をはじめとする分析計測機器やレーザー光源の開発を手掛けてきた。2025年3月には世界で初めてストロンチウム光格子時計「Aetherclock OC020」を発売するなど、光関連技術の知見を培っている。本件は、量子技術分野への同社初の出資となる。

 量子コンピュータは、量子力学の原理を利用した次世代の情報処理技術である。スーパーコンピュータでも膨大な時間を要する複雑な計算を高速で実行でき、創薬や新材料開発、半導体などでの活用が期待されている。量子コンピュータには超伝導方式やイオントラップ方式、光方式などの様々な方式があるが、現時点では標準的な技術は確立されておらず世界的に開発競争が激化している。日本政府も「戦略17分野」の一つとして量子技術の振興を図っている。

 OptQCは、東京大学大学院工学系研究科の古澤明教授らが確立した「光方式」の量子コンピュータである「光量子コンピュータ」を開発している。特長は、計算に用いる「量子ビット」を増やしても装置が巨大化しない点である。また、極低温の冷却が必要な超伝導方式などとは異なり、光方式は常温・常圧で稼働するため、消費エネルギーを抑えられる。OptQCの「光量子コンピュータ」は2025年に新エネルギー・産業技術総合開発機構のプロジェクトに採択され、2026年7月には産業技術総合研究所に初号機が設置された。

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