東レがCFRP製Ⅹ線透過部材を開発 Ⅹ線照射量低減を可能に

2026年07月13日

ゴムタイムス社

 東レは7月9日、従来比同等以上の画像精度を確保しつつ、Ⅹ線照射量8%低減を可能にする、炭素繊維強化プラスチック製のⅩ線透過部材を開発したことを発表した。今後、マンモグラフィなどの撮影台やカセッテといったⅩ線検査装置への展開を見据え、実用化に向けた検討を進めていく。

 Ⅹ線検査は、人体を透過したⅩ線を検出して内部構造を画像として可視化する技術で、病気の早期発見に有効である。一方、医療被ばくのリスクも伴うため、照射量を増やさずにノイズの少ない鮮明な診断画像を可能とする技術が求められている。なお、国内では医療被ばく研究情報ネットワーク(JーRIME)がハブとなり、放射線診療における被ばく線量やリスク評価などに関するデータを収集し、患者の放射線量を最適化するための指標として診断参考レベル(DRL)を公表している。

 Ⅹ線検査装置の受光部には、軽量かつⅩ線透過性に優れたCFRP製の保護部材が適用されているが、照射量を増やさずに鮮明な診断画像を取得するためには、この保護部材のⅩ線透過性のさらなる向上が欠かせない。透過性向上の手法として、CFRPスキンと多孔質体コアからなる低密度なサンドイッチ構造体が有効であり、検査装置への適用が検討されてきた。しかしながら、多孔質体の密度ばらつきや保護部材の形状に起因して、透過X線の強度分布のムラにより、診断画像にノイズが発生する可能性があるなどの課題もあり、照射量低減と診断精度向上の両立が求められていた。

 同社は、独自の多孔質体であるCFRFのサンドイッチ構造体において、緻密な複合化設計を確立することで、低密度と高剛性を両立するとともに、形状によらず密度ばらつきを抑制した。このサンドイッチ構造体を適用した保護部材を、東京都立大学 健康福祉学部 放射線学科の根岸徹准教授が臨床条件下で評価を行った結果、検出量子効率(DQE)が従来CFRPに対して約6%向上することを確認した。これにより、Ⅹ線照射量を8%低減しても同等以上の鮮明な診断画像の取得が可能となる。マンモグラフィなどの撮影台やカセッテといった検査装置に本部材を用いることにより、医療被ばくのリスクを低減しつつ、診断精度の向上が期待できる。

サンドイッチ構造体(イメージ)

サンドイッチ構造体(イメージ)

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