ダイセルと富士フイルムが受賞 セルロース学会技術賞

2026年06月18日

ゴムタイムス社

 ダイセルは6月15日、富士フイルムと連名で、2026年6月1日に、2025年度セルロース学会技術賞を受賞したことを発表した。

 本受賞は同社と富士フイルム社の研究開発に基づき、同社のTAC(三酢酸セルロース:Triacetyl cellulose)を主原料として富士フイルム社が成膜して製造するTACフィルムが、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ(OLED)の性能向上と市場拡大に多大に寄与し、社会貢献したことをセルロース学会が評価したものである。

 2026年7月9日、府中の森芸術劇場(東京都府中市)で開催される、第33回セルロース学会年次大会中において授賞式及び受賞講演が行われる。

 TACフィルムは従来、写真フィルムベースとして広く用いられてきた。同社と富士フイルム社はLCD、OLEDにおける重要な光学フィルム材料の一つ「偏光板」にTACフィルムを用いるにあたり、TACフィルムの光学特性が表示装置の視野角等の表示品位を左右することに早期に着目し、ディスプレイ方式に応じたTACフィルムを次々と開発した。

 表示品位に関わる重要な光学特性の一つは、光が素材を透過する際に生じる位相のずれ、レターデーション(位相差)である。その制御のために、TACの分子構造を含むフィルム設計の見直しを行った。さらに、高品質の製品を安定的に供給するために生産技術を革新した。
 LCDやOLEDでの視野角の拡大にあたり特に重要なのは、黒表示における光漏れであるが、セルを斜めに通過する光は、セルの設計に反して位相差を生じ、黒色が黒に表示されない問題があった。この問題は、TACフィルムによって、逆の位相差を与えることで解消されるが、位相差はディスプレイの方式によって異なり、それに応じてTACについてさまざまな設計が求められた。

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